Activity Reports超域履修生による、ユニークで挑戦的な活動のレポート。

授業レポート | 超域イノベーション総合


自然と人間が共生できる未来の都市公園をデザインせよ

2023/6/26

課題提供者: 大和リース株式会社

自然環境と人の社会活動はいかに共生しながら発展することができるのか。
次世代の人々が時代に合わせたライフスタイルを築き、心豊かに暮らすために、将来にわたって社会的共通資本となる公園の在り方やコンセプト、事業計画について提案しました。

■活動概要&成果

活動概要

COVID-19の収束が不透明な社会情勢の中、公園や広場などの緑のオープンスペースは、コミュニケーションづくりの場として、その役割や在り方が様々に変化しています。本課題では鶴見緑地公園を対象地として、公園および周辺の歴史や現況、そしてオープンスペースの使われ方について調査を行い、公園管理事業の更新期となる2040年に向けた公園のグランドデザインを考案しました。

多様なライフスタイルに合ったオープンスペースとは?

鶴見緑地公園は大阪市北東部に位置し、1990年には「自然と人間との共生」をテーマとした花博が開催された都市公園です。ところが、122haもの広大な敷地を有し、市外からのアクセスもしやすく、豊かな自然に恵まれ、様々なポテンシャルを持ちながらも、その魅力を最大限に活かすことはできていません。本課題ではポストコロナを見据え、ライフスタイルや社会情勢の変化にも寄り添いながら地域の魅力を創出するオープンスペースの提案が求められました。

花博のレガシーを拠点とした「自然×人」のつながり

履修生は公園の立地特性や利用実態、周辺の開発計画等を分析し、子育て世代や高齢者を中心とした地域住民をターゲットに設定しました。そして、公園の抱える課題として、かつて賑わいを見せていた花博跡地が豊かな自然に恵まれているにも関わらず、アクセスが悪く、高低差のあるエリアであるために利用者が寄り付かず、施設老朽化のために活用されずデッドスペースとなっている事、また、公園全体の平日利用者が少ない事に着目しました。これらの要素を掛け合わせ、多種多様な自然の恵みと食を通して、人と人とがつながる「森のキッチンPJ」を展開し、園内に点在する既存のサービスやスポットが花博跡地エリアを中心とした自然と食のサイクルでつながり、地域住民が集う新たな場となる、持続可能なオープンスペースとして提案しました。

■課題提供者からの声

都市公園法が段階的に改正され、公園活用事業やP-PFIは大阪を中心に活発になっており、今回はレンコン畑→都市ごみ最終処分場→花の万博→公園と変遷してきた鶴見緑地の未来都市におけるあり方を模索してもらいました。
公園は多世代のコミュニティーをデザインできる場であるからこそ、周辺の生活環境への影響が大きく街の核となる存在です。
いただいた提案は実現可能かどうか以上に未来ではどうあるべきかを考えたものであり大変満足しています。
鶴見緑地のこれからが公園という概念の未来に繋がっていくよう、今回いただいた提案を活かせればと思います。

■履修生チームの声

考え方の異なるプロジェクトメンバーとともに、全く専門外の課題に取り組む状況だったため、進捗が良くない事や、意見が衝突する事もありました。そうした中でも、考える方法から議論して皆が納得できる方法で課題を整理する事、専門外の文献でも読んでみる事、何度も公園に出かけ見た現象を議論する事などを通して、考え方の違いや専門性の壁を乗り越えようと奮闘してきました。「”超域”ってこうゆうことなのかな」と思えるような貴重な経験ができた事、多くの方々に支えられ、先方に満足頂く提案ができた事に、大変感謝しています。

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