内藤 正博
- 研究科
- 人文学研究科
- 専攻
- 人文学専攻
- 専門分野
- 哲学哲学史
- 所属学会
- 日本哲学会、日本18世紀学会、関西哲学会、関西倫理学会
- 職歴・学歴
- 2019年4月〜2020年3月 大阪大学法学部
2020年4月〜2023年3月 大阪大学文学部
2023年4月〜2025年3月 大阪大学大学院人文学研究科博士前期課程
2025年4月〜現在 大阪大学大学院人文学研究科博士後期課程
同上 日本学術振興会特別研究員(DC1)
- 趣味・特技
- 音楽鑑賞、ギター演奏、映画鑑賞
- 修士論文
- ウルストンクラフトにおける公的なものと私的なものについて
- 論文・活動実績
- 【受賞】
2024年3月 『哲学の門』優秀論文賞 「メアリ・ウルストンクラフトの自由概念について」 日本哲学会
【論文】
内藤正博「カール・シュミットと脱政治化の問題」『待兼山論叢』第58号、pp. 35–50、2025年3月。
内藤正博「メアリ・ウルストンクラフトの自由概念について」『哲学の門』第6号、pp. 34–46、2024年3月。
内藤正博「カント啓蒙の批判的再検討——世界市民的教育を踏まえて——」『哲学の探求』第51号、pp. 180–198、2024年3月。
【口頭発表等】
内藤正博、﨑山英俊、舟場保之「憲法制定権力--シュミット・アーレント・ハーバーマス--」第23回哲学ワークショップ、大阪大学豊中キャンパス、2025年3月2日。
内藤正博「学問と政治化についてーーカール・シュミット「中立化と脱政治化の時代」における「技術」をめぐるテーゼ」超域への扉、大阪大学吹田キャンパス、2024年11月22日。
内藤正博「カール・シュミットと脱政治化の問題」第16回大阪哲学ゼミナール、大阪大学豊中キャンパス、2024年8月20日。
内藤正博「ウルストンクラフトにおけるグローバルな正義--コスモポリタンと「国民性」--」日本18世紀学会、大阪大学豊中キャンパス、2024年6月23日。
内藤正博「《文献紹介》エリザベス・フレイザー著「メアリ・ウルストンクラフトの政治的な政治理論」」第25回handai metaphysica研究例会、大阪大学豊中キャンパス、2024年3月8日。
内藤正博「フェミニズムと近代:メアリ・ウルストンクラフト紹介」第8回大阪大学豊中地区研究交流会「知の共創」(ポスター発表)、大阪大学豊中キャンパス、2023年12月8日。
内藤正博「ウルストンクラフトによる体制論の可能性」第1回哲学倫理学コロキウム、オンライン、2023年9月16日。
内藤正博「メアリ・ウルストンクラフトの政治哲学」第8回若手研究者フォーラム、オンライン、2023年9月8日。
内藤正博「カント啓蒙の再検討--世界市民的教育を踏まえて--」2023年度哲学若手研究者フォーラム、国立オリンピック記念青少年総合センター、2023年7月16日。
- 研究室URL
- 哲学哲学史/現代思想文化学

Message私の専攻は哲学・哲学史ですが、その中でも特に啓蒙主義と呼ばれる18世紀の哲学に興味があり、研究しています。「啓蒙主義」と一語で言ってもそこには多種多様な思想家が含まれるため、その内容を一概に定義することは困難ですが、普遍的法則や正義を前提・探究するという姿勢が、緩やかな傾向としてあると思われます。啓蒙主義や普遍主義は,20世紀にフランクフルト学派第一世代やポストモダニストらによる様々な批判に晒されましたが、シニカルな態度を退けながらグローバルな現代的問題を解決することを迫られている昨今においては、ますます重要な糸口を提供する可能性を秘めているのではないかと考えています。現代ドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスが言うところの「未完のプロジェクト」としての啓蒙=近代に妥当性を持たせることを大きな課題として、世界市民主義を論じるカントや、理性に基づいて女性の市民権を主張したメアリ・ウルストンクラフトを参照し、それらのテクストが持ち得る現代的有効性を探っています。一方、時代に制約された18世紀の啓蒙思想をそのまま現代に引き継ぐことには当然無理があるため、ヘーゲル以来の啓蒙批判についても取り組む必要があるとも考えています。ウルストンクラフトについても、啓蒙へのフェミニスト的批判としてその著作を読解しようとしています。またヘーゲル的啓蒙批判を政治哲学の領野で展開したものとして、カール・シュミットの公法学・政治思想を参照・研究しています。
18世紀の啓蒙思想家の目標は、ハーバーマスによれば、専門的な知を特権的な立場から解放し、人々の実生活に接続することでそれをより合理的なものにしていく、というものでした。学問の専門的細分化が進む中、この目標を超域プログラムのそれに重ねつつ、哲学(史)研究を踏まえ、社会問題へのアプローチを提案し、プログラムのコンセプトである「社会と知の統合」に貢献できればと考えています。