中村 仁
- 研究科
- 情報科学研究科
- 専攻
- 情報数理学専攻
- 専門分野
- 非線形ダイナミクス
- 所属学会
- 日本神経回路学会
- 職歴・学歴
- 2019年4月〜2020年3月 立教大学 経済学部
2020年4月〜2024年3月 公立はこだて未来大学 システム情報科学部
- 趣味・特技
- 世界史、自然公園巡り、旅行
- 卒業論文
- 動的シナプスを用いた報酬修飾型リザバー計算に基づく行動計画の数理モデルと脳内における情報表現の解明
- 論文・活動実績
- (1) 国内外の学会、会議における発表
【国内学会】
1. 中村 仁, 香取勇一. (2021年9月). 動的シナプスを用いた報酬修飾型レザバー計算に基づく行動計画の数理モデル. JNNS2021, 2021年9月21日-2021年9月23日, ポスター発表&口頭発表.
2. 中村 仁, 香取勇一. (2022年3月). 短期的シナプス可塑性を用いた報酬修飾型レザバー計算に基づく行動計画の数理モデルの構築とその分析. 「脳神経系マルチセルラバイオコンピューティング」第2回領域会議ポスターセッション, ポスター発表.
【国際学会】
1. Jin Nakamura, Yuichi Katori. (2022年6月). Construction and Analysis of a Computational Model of Motion Planning Based on Reward-Modulated Reservoir Computing with Dynamic Synapses. NEURO2022, Poster Presentation.
2. Jin Nakamura, Yuichi Katori. (2023年2月). Information Representations Obtained by Reward-Modulated Reservoir Computing with Short-Term Synaptic Plasticity. BFBC2024, Poster Presentation.
3. Jin Nakamura, Yuichi Katori. (2024年6月). Reservoir Computing-Based Model of Action Planning: Emulating Prefrontal Cortex Functions with Dynamic Synapses and Reward-Based Learning. IEEE WCCI 2024 (IJCNN2024), Oral Presentation.
(2) 活動
・エキスパートチューター, 公立はこだて未来大学 メタ学習ラボ, 2021年4月-2024年3月.
・プロジェクトリーダー, 脳をつくるプロジェクト 世界モデル班, 2022年4月-2023年3月.
・AIエンジニア(LLM担当), 東京大学松尾・岩澤研究室, 2023年12月-現在.
・東京大学松尾・岩澤研究室におけるLLM開発プロジェクトリーダー, 経済産業省 GENIACプロジェクト, 2024年1月-2024年8月.
・未踏ターゲット事業(リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野), 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA), 2024年5月-現在.
(3) 受賞
・SICE優秀学生賞, 計測自動制御学会, 2024年3月.
・山口正雄記念賞, 公益財団法人 山口正栄記念奨学財団, 2024年2月.
・LLM Summer 2023 「大規模言語モデル」 優秀賞, 東京大学 松尾研究室, 2023年10月.
・未来大学賞, 公立はこだて未来大学, 2023年3月.
・国際学会研究発表 最優秀賞, 公益財団法人 山口正栄記念奨学財団, 2023年2月.
・起業アイディア 最優秀賞, 公立はこだて未来大学, 2021年1月.
・FUN Locksハッカソン 企業賞, 公立はこだて未来大学, 2020年12月.
(4)メディア
・大学案内(2025年度版) 複雑系コース, 公立はこだて未来大学, 2024年4月.
・大学案内(2023年度版) データサイエンスオープンプログラム, 公立はこだて未来大学, 2022年4月.
・中高生の学習「根拠」で支援, 北海道新聞, 2021年12月.
・山忠HDと小樽商大共同の起業家教育 十勝企業課程開発へ, 十勝毎日新聞, 2021年11月.
- 研究室URL
- 非線形数理講座(鈴木研究室)

Message私は現在、非線形ダイナミクスと機械学習を用いて、脳の数理モデルと言語モデルに関する研究を行っています。
学部では当初、経済学部で行動経済学を中心に学んでいました。行動経済学では、人々の意思決定を外部から観察し、分析する手法が一般的ですが、私はその背後にある内部プロセスをより深く理解するためには、計算論的アプローチが有効だと考えるようになりました。これを契機に、コンピュータサイエンス・複雑系科学の分野へ進路を変更しました。複雑系科学では、個々の要素に注目して全体を理解しようとする要素還元主義的アプローチとは異なり、システム内の要素が互いに影響し合い、その相互作用から新しいパターンや全体の動きが生まれることを重視します。このアプローチにより、従来の手法では見落とされがちな現象をより適切に捉えることができると感じました。その考えの下で、学部1年次より、複雑系科学のアプローチに基づいて「脳型人工知能を用いた脳の数理モデル」の研究に取り組んでいます。
ところで、脳だけではなく言語も、人間の複雑な相互作用の結果であるという点で複雑系科学の一部と見做すことができます。言語の背後にある非線形性を理解することで、自然言語処理(NLP)モデルの性能が向上されるのではないかと期待されています。この観点から、修士1年次からは、私は言語モデルにも興味を持つようになり、その解析にも取り組んでいます。
超域イノベーションプログラムでは、これまでの研究をさらに深め、多様な分野の知見を活かしながら、社会が直面する複雑な問題に対して実践的な解決策を模索していける力を身につけたいと考えています。以前、大規模言語モデル(LLM)開発へプロジェクトリーダーとして参画した際、技術的な開発のみならず、著作権やバイアスといった倫理的・法的な問題にも取り組む必要がありました。こうした課題は単一の専門分野だけでは解決できず、さまざまな分野の専門家との協力が欠かせないことを痛感しました。そのため、超域イノベーションプログラムを通じて、異分野と共創し、社会に貢献できる人材へと成長していきたいと考えています。