Activity Reports超域履修生による、ユニークで挑戦的な活動のレポート。

授業レポート | 超域イノベーション総合


新興国を対象とした新たな廃棄物研修プログラム

2017/2/2

課題提供者: NPO法人こども環境活動支援協会LEAF

NPO法人LEAFは、新興国から廃棄物処理に関わる行政職員を日本に受け入れ1か月に渡って研修を行う事業をJICAより受託しています。本チームの課題は、「新興国における循環型社会の構築に寄与する廃棄物処理の研修プログラムを提案せよ」というテーマを与えられ、新たな研修プログラム案の提案に向けて取り組むことでした。

■活動概要&成果

課題の読み解きと研修で目指す人材像の定義

新興国および日本における廃棄物処理の歴史や社会経済状況を調査する中で、新興国は風土や宗教などが複雑に絡み合った「混沌」とした状況を有していることを理解しました。その中で、新興国において求められる人材は、目の前の混沌とした問題を一度受け入れた上で、人々が持続的に幸せを享受できる未来の社会に向けて、他者と協働していくことができる人材であると定義しました。

演劇ワークショップの考案

上記の人材を育成するために、従来の研修に「演劇ワークショップ」を加えることを考案しました。演劇という手法は、問題(設定)に対する暫定的な解(オチ)を話し合いで決める必要があること、役を演じることで他者への理解が深まることなどが強みです。廃棄物特有の混沌とした状況設定や、豊かな社会を目指す場面を入れることで、上記の能力の向上を効果的に目指すことができると考えました。全研修の前半に演劇ワークショップを行うことで、研修員同士が親密になり、以降の研修でより積極的に意見交換できる環境にすることも狙いました。

実際の研修での実施

本チームは、演劇ワークショップを実際に研修で実施する機会を得ました。プロの劇団の協力のもと、アジア各国の政府や地方自治体で廃棄物対策を担当する行政官を対象に実施し、「帰国後も組織内での横断的な連携や市民の人たちへ向けた啓発活動などに演劇ワークショップは応用できる」との感想をいただきました。

■課題提供者の声

NPO法人こども環境活動支援協会LEAF 小川雅由

廃棄物問題は、先進国、新興国を問わず人々や社会経済の活動がある限り発生する、避けて通れない問題です。これまで、先進国ではモノの豊かさが人々の幸せのバロメーターと考え、大量生産・大量消費・大量廃棄という社会システムを生みだし、プラスティックや家電ごみなど処理困難物も大量に発生させてしまいました。科学技術の発展は、廃棄物問題においては解決方法をより困難にしてしました。そして、グローバル化の中で先進国だけではなく、新興国においても同じようにモノは流れていきます。技術力、経済力の弱い新興国では、物質的な豊かさが重大な環境破壊に直結してしまいます。こうした現代社会の諸相を人間問題として捉え、様々な立場に置かれている人々の内面を映し出し、問題認識を止揚する方策として演劇ワークショップの手法を用いたことは、人材育成研修に新たな方法を提示できたと思います。研修員が廃棄物課題を業務として捉えるだけでなく、人々の生き様として考えるきっかけを与えてくれたことに感謝しています。