「超域イノベーション博士課程プログラム」は大阪大学の研究科に進む大学院生の中から選抜された履修生が集い、「知」のプロフェッションルへと育っていくところ。

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大阪大学総長
西尾 章治郎
大阪大学総長 西尾 章治郎

 現代社会が、科学技術を中心とした多様な「知」に支えられて、発展してきたことは言うまでもありません。しかしながら、グローバリゼーションや情報技術の進展のもと、「知」の生産・流通・活用のモードには大きな変化が起きつつあります。一方、社会の現実に目を移せば、持続可能性、人口減少社会、格差の拡大、価値の多様化など、様々な要因が複雑に関係する幾多の難題が立ちはだかっています。「知」の新たなモードをこれらの難題の解決にどのように活用するかが問われています。新たな「知」を創り出すに留まらず、その「知」から新たな価値を生み出していけるような俯瞰力と独創力に富んだ新たな人材が求められています。
 大阪大学は、1931年の創立以来、懐徳堂と適塾から学風と精神を継承し、その先進性とたゆまぬ挑戦性を基軸として、従来にはなかった斬新な学部や学科を設置しながら、常に新たな「知」を切り開いてきました。また、2005年以降、コミュニケーションデザイン・センターやグローバルコラボレーションセンターなどを設置し、学部や研究科を超えて高度教養や国際性を涵養する横断的な教育を推進し、「知」の担い手となる高度人材の育成に取り組んできました。2012年には、それらの先導的な教育の成果を基盤に据え、高度な専門性に支えられた知的体力と勇気、創造力を持ち国内外の政財官学界で活躍してグローバルリーダーとなる博士人材の養成を目指して、5年一貫の博士課程プログラム「超域イノベーション博士課程プログラム」を開設しました。
 新たな知や新しい価値の創造が成長の基盤となる知識基盤社会である今日にあって、新時代の大学には、多様な「知」の協奏により卓越した「知」を共創し、社会や世界に還元していくことが求められています。大阪大学はこの「知の協奏と共創」を実現する場となり、社会の負託に応えていきたいと考えています。超域イノベーション博士課程プログラムはその中核となる取組の一つと位置づけております。大阪大学の14の研究科から選抜された大学院生が文理を越えて集い、研究科での高度な専門性の追求を基軸としながら、独自の汎用力についてのコースワークで切磋琢磨するプログラム、これこそが、来るべき時代にグローバル社会の様々な方面で未開拓の分野を先導して開拓していく博士人材の育成につながると信じます。専門領域、国境、既成概念、相場観といった“境域”を超えた新たな取り組みを通じて、社会システムの変革を導くイノベーション、すなわち“超域イノベーション”を先導していく次代の博士人材を輩出することを目指していきます。

大阪大学理事・副学長(教育担当)、プログラム責任者
小林 傳司
理事・副学長(教育担当)、プログラム責任者 小林 傳司

 大阪大学では、教養、デザイン力、国際性の3つの教育目標のもと、全国の大学に先駆けて研究科横断型高度教養教育を推進してきました。超域イノベーション博士課程プログラムは、この成果を基盤に大学の叡智を結集した文理統合型の学位プログラムとして、文部科学省の支援による博士課程教育リーディングプログラムのオールラウンド型に採択されたものです。プログラム開設以来、新たな大学院教育の理想型の実現を目指して、全学体制のもとで強力に推進してきました。この間、2014年度に行われた支援事業としての中間評価では、“超域イノベーション”という明確なコンセプトと新たに構築してきたコースワークの充実、さらには、履修生の着実な成長などが高く評価され、また、経済界のリーダーの方々からは、今日の社会が直面している混沌とした諸課題の解決に向けて、本プログラムとその修了生への期待が寄せられるようになってきています。今後は、これまでの成果や評価を踏まえながら、この先導的なプログラムをさらに発展させていくとともに、大阪大学の学士課程から博士課程に至る様々な教育に反映させていくことを展望しながら、引き続き、本プログラムを強力に推進していきます。

大阪大学教授(工学研究科)、未来戦略機構第一部門長、プログラムコーディネーター
藤田 喜久雄
大阪大学教授(工学研究科)、未来戦略機構第一部門長、プログラムコーディネーター 藤田 喜久雄

 超域イノベーション博士課程プログラムでは、未知で複雑で困難な社会的課題の解決を先導できる新時代の博士の養成に向けて、大阪大学における研究科横断型教育の豊富な実績の上に,産官民の多様なセクターから様々な経験と知を導入することによって,博士課程教育のオープンイノベーションを目指しています。プログラムでは、大阪大学の教員や内外の優れた研究者を総動員し、異なる研究科に属する学生が専門を超えてぶつかり合う文理混成型の実践型教育として、知識やスキルについて幅広く学ぶための各種のモジュール型授業、社会的課題解決について実践を通じて学ぶワークショップやプロジェクト、世界の中心と周辺における実体と論理を学ぶインターンシップ、実践的な英語運用能力育成のための科目などを新規に開発し、俯瞰力と独創力を涵養していくことによって、専門力と汎用力を兼ね備えた超域イノベーション人材育成のための教育プログラムを展開しています。