総長メッセージ

大阪大学が目指す新たな大学像
さきがけとしての「超域イノベーション博士課程プログラム」

大阪大学総長 西尾 章治郎

 大阪大学はOUマスタープラン2027のもと、社会との共創を通して、地域から世界全体に及ぶさまざまな課題を解決し、「生きがいを育む社会」を創造する大学となることを目指しています。従前とは異なる「コロナ新時代」を迎えた社会の中で、大阪大学で育まれる「知性」、「英知」を結集して、科学技術・学術、医療制度、経済システム、会社組織、コミュニティ、個人の生活や価値観等を抜本的に転換する新たな社会の仕組みを創り出すことで、個々人が社会で活躍できる寿命を延伸させ、あらゆる世代がその多様性を活かすことで社会を支え、豊かで幸福な人生をすべての人が享受できる社会を実現する。それが大阪大学の目指す理想の社会像です。
 このような状況において、高度な人材の育成を担う大学院教育には従来から専門研究、学際研究に加えて、社会における諸問題の本質を捉えた上で新たな課題を見つけ出し、立場を超えて解決策を共創していく「社会と知の統合」を担う人材の養成が求められています。超域イノベーション博士課程プログラムは、大阪大学が2012年度から開設している大学院の特別プログラムであり、「社会と知の統合」に資する大学院教育の“さきがけ”です。本プログラムでは、文理を超えた14の研究科から選抜された履修生が集い、在籍研究科での専門性の探求を基軸として、専門や立場の“境域”を超え、ものごとの本質を捉える俯瞰力と、未知で複雑で困難な課題の解決に挑んでいく実践力を育んでいく独自のコースワークが展開されています。
 大阪大学では、多様な人々との関わりの中で問題の本質にアプローチする手法と経験を獲得し、それにより社会の様々な方面で新たなキャリアパスを拓いていきたい、そのような未来に向けたチャレンジを志す大学院生の超域イノベーション博士課程プログラムへの応募を待っています。学際融合・社会連携を指向した双翼型大学院教育システム