準備

~私たちのミッション~

私たちのミッションは、パネルディスカッションのテーマ設定から、コンセプトと構成を考え、ディスカッションに関するほぼ全ての内容を自主的に企画することでした。

そこで私たちは、「超域」を体現している方々、すなわち、従来の価値観や方法に囚われず、困難 な課題に取り組んでこられた3名の登壇者の方々に、ご自身の経験や経験に基づく考えを私たち履修生が質問することによって明らかにしていきたい、という方向性を打ち立てました。

「超域」とは何か。どうすれば「超域」を伝えることができるのだろう。

超域プログラムを履修している私たち自身も、それぞれが常に模索し続けている問いです。その問いに対して、もちろん全てに当てはまるわけではありませんが、既存の境域や枠組みを超えるという経験によって、登壇者の方々が活躍されてきたのではないかと考えに至ったのです。

このことから、第二部では、本プログラムの意義、超域という考え方を具体的に明らかにすると共に、登壇者の方だからこそ意見することができる、本プログラムや私たち履修生に対する改善点など、アドバイスも頂きたいと考えました。

~「超えるためには何が必要か?」~

第二部の構成を具体的に計画するにあたって、
まず、登壇者の方々の情報収集を行いました。

3人の登壇者の方々は今までに多くの困難を超えられてきた方たちです。

「彼らはなぜ超えることができたのか。」

その「超えられた理由」に何か共通点があるのではないかという仮定を立て、私たちは登壇者の方々のご経験(エピソード)を中心として徹底的に調べることにしました。経験の浅い私たちが、今後超えていくためには何が必要なのか、その具体例を知りたいと思ったからです。

情報源としては、Webページやご著書を用いて調査を行いました。ご執筆されている著書や論文については、出来る限り集め、分担して読み込んで意見を出し合いました。

私たちが大切にしたのは、調査を行うだけではなく、それを元に私たちはどう感じて、「超域」の必要性とは具体的に何なのかを突き詰めて考え抜くことです。それぞれ意見を出しあいながら、企画のベースとしたい「超域」とは何か」を表現するためにはどうすればいいのか、、、チームはたった 3名であるにも関わらず、なかなか意見がまとまらずに、シンポジウムの企画を実現するまで、かなり長い道のりに感じつつありました。

またそのような中で、登壇者の一人、OECD東京センター長の中谷好江さんへは、実際にOECDのオフィスへ訪問し、インタビューの機会を頂きました。多くのエピソードや貴重なご意見を頂き、シンポジウムの企画のため、という本来の訪問目的を忘れそうになるほど、様々な質問を投げかけ、予定時間を大幅に過ぎてしまうほど白熱したインタビューとなりました。

そうして私たちは、参加者の方々へ「超域」に対する理解を深めてもらうという目的のもと、「超える」を具体的に伝えるために、得られた情報を基盤にして登壇者の方々のエピソードの中から、キーワードを見つけて設定することにしました。彼らが困難な課題を乗り越えた際の原動力、言い換えると「超域」を可能にしたものをキーワードとして考えだしたのです。

具体的に、冨山和彦さんには「挫折力」、中谷好江さんには「タフネス」、鈴木寛さんには「ビジョン」というキーワードを設定し、それらに沿って当日エピソードを語って頂くこととしました。

その上で、ディスカッションの全体計画も下記のように立てました。

  • 1. 構成と全体の流れ
    パネルディスカッション全体時間は 100 分とし、
     1 エピソード
     2 履修生から質問(各登壇者のキーワードに基づいて行う)
     3 超域プログラムが掲げる「超えるべき8つの境域」をベースとして
     全体ディスカッションを行う
  • 2. Take Home Message
    来場の方々が「超域」という視点を得て、その考え方を実践できるように、コンセプトをわかりやすく、かつ具体的にイメージできる形で伝えること

キーワードを設定し、それを軸にディスカッションを広げることを企画のベースとして決定したことで、次第に私たちの中で、全体像のイメージが出来上がり、本番に向けての期待と緊張感が高まってきました。そのような高揚感を抱き、私たちはいよいよ本番当日を迎えることになります。

04

1.はじめに   2.準備   3.本番   4.シンポジウムから学んだこと