Professors & Lecturers様々な分野の教員が履修生の学びを支援します。

プログラム特任助教許 俊卿Kyo Shunkei

専門分野
メディア・コミュニケーション学(主としてリスクコミュニケーション)
担当業務
履修生支援・海外研修
担当授業
グローバルエクスプローラ、超域自主実践活動
研究関心
市民向けのリスクコミュニケーションのあり方、各種のリスクを巡るメディア報道とリスク認知の関連を分析する研究

研究紹介

最近、新たに登場した対話型人工知能ChatGPTは広く注目されており、学習や生活に多くの便利さをもたらした一方で、リスクが付随するという懸念も示されています。実際、ここ数年よく話題となっている原子力発電所問題や、遺伝子治療問題等も同様です。いずれも科学技術と社会との接点で起こった問題で、日常生活や価値観には大きな影響を及ぼしています。すなわち、科学技術の更なる発展につれて、その応用や管理等に当たり様々な未曽有のリスクが顕在化してくることです。一方で、これらの課題群の解決は、科学技術の視点だけでは、社会面における課題の全部を解決することもできないです。多くの場合は市民の協力があった上で、解決策が順調に回ります。そのため、人々がどのようにリスクを認知しているか、またリスクを巡り、関係者間がどのようにコミュニケーションを取っているか等を把握し、検討することがますます求められています。

私は、環境リスクに着目し、とりわけ中国の大気汚染であるPM2.5問題に関心を持っており、それを巡るリスクコミュニケーションの変遷や効果等を考察しています。大学時期はちょうど大気汚染が最も深刻な時期で、広範囲でスモッグが発生しました。それを経験したからこそ、環境問題の深刻さを感じ、また問題解決における市民の行動の重要さも意識しました。一方で、市民は研究者のように科学的にデータを分析し、対応策を取っていくことがなかなか難しくて、メディア報道を通して多くの情報を入手するしかできないです。そのため、メディア報道がどのようにリスクを報道しているか、また市民にどのような影響を及ぼしているかに関して研究しはじめました。内容分析法を使い、長年にわたる関連報道を分析してから、アンケート調査とインタビュー調査を使い、メディア報道とリスク認知の関連の考察を深めました。

それ以外、日本で科学コミュニケーションを巡り、フィールドワークも行っています。こうしたコミュニケーションの現場は、実際にどのようなむずかしさがあるのか、また現在の様子に至るまでにどのような試行錯誤を経験してきたのかを見てきました。今後は、多国の経験を相対化し、どのようにリスクをコミュニケーションするか、どのようにリスクを削減するかに、自分の力を貢献したいです。

私にとっての超域とは?

現代社会が抱える課題群の解決のため、社会システムの順調な運行のため、超域が必要であると思います。多分野をまたがる知識の融合にしても、多主体を連携する協働にしても、お互いの間にある壁を打ち破り、対話を実現することが方向性になります。また個人というミクロな視点から、超域の意味もあります。私にとって、超域での学修生活を通して、既存の枠を超えて、自分のコンフォートゾーンから歩き出したからこそ、自分なりの成長が遂げられたと考えています。

超域生へのメッセージ

目下の社会における科学者は、専門知を習得する以外に、真なる需要を理解し専門知を運用していくことが問われています。そのため、机の前に閉じ込めることなく、もっと外の世界と触れ合うことが重要です。超域で、多様なバックグラウンドを持った学生、教員、ゲストと交流する機会や、複合的な能力を磨き実際の課題に接する機会がたくさんあります。皆さんがここでもっと交流を作り、もっとチャレンジを試み、自分なりの成長を遂げることを期待しています。