森田 良成(もりた よしなり)
特任教員紹介
森田 良成(もりた よしなり)
特任講師
専門分野 文化人類学
担当業務 教務・海外派遣教育
担当授業 海外フィールドスタディ、グローバル・エクスプローラ
チューター担当
学部・学科
人間科学研究科・言語文化研究科(箕面)
研究関心 ・インドネシア、西ティモールにおける貧困と経済
・東ティモール独立後のティモール島国境地帯における人、モノ、情報の移動
・映像人類学
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研究紹介

 これまでに、インドネシア共和国の西ティモール、東ティモール民主共和国の飛び地オエクシ県でフィールドワークを行ってきました。「貧困」をひとつのキーワードに、低開発地域の農民、都市で暮らす出稼ぎ人、国境地帯で密輸を行う人々など、それぞれの新しい現実にそれぞれのやり方で対処していく人々の生きざまについて、参与観察を通して理解を深め、論文と映像作品を発表してきました。
 西ティモールは、インドネシア国内の政治経済において「取り残された」「周辺」の場所であると同時に、隣国東ティモール民主共和国と陸地で国境を接する「境界」の場所でもあります。東ティモールは1999年にインドネシアから分離し、2002年に正式に独立しました。これによりティモール島には新しい国境線が引かれ、以前は僻地の農村にすぎなかった場所が、異なる政治経済体制が隣り合い、双方の国家にとって特別な意味をもつ場所に変わりました。島のほぼ中央にあるメインの国境線よりも西側にあり、周りをインドネシア領に囲まれた東ティモール領の「飛び地」オエクシ県をめぐる状況は、とりわけ複雑です。オエクシ県は、東ティモールの政治・経済・歴史において特殊な位置にあった場所であり、近年では30年がかりの大規模な経済特区構想の舞台になっています。
 オエクシ県を囲む国境周辺の住民たち、すなわち国境をまたいでふたつの国家の国民に分かれており、しかし同時に言語的、歴史的には多くのものを共有し、住民たち自身が「国境以外には両者を分けるものが見当たらない」と語るような両者の関係に注目しています。国家と国境が誕生するまでの歴史とそこから現在に至るまでの変化を、住民たちはどのような経験として語るのか。それぞれの国家への帰属意識はどのようなものなのか。国境を合法/非合法に越えて行われる様々なやりとりの中に、インドネシアと東ティモールそれぞれの「ナショナリズム」はどのような形で浮かび上がるのか。こうしたことを明らかにしていきながら、国境や国家、国民というものが、われわれ自身にとってそもそもどのように「あるべき」ものとして設定されているのかを考えていきたいと思います。

私にとっての超域とは?

 「海外フィールドスタディ」では、「自分にとって当たり前のことが、他者にとってそうではないことを経験的に理解する」ということを目的としています。文化人類学ではなじみの深いこの考え方を、他の学問を専門とする受講生のみなさんにどのように伝えることができるのか、それをどのように研究やその他の活動の糧にしてもらうことができるのか。超域でのこうした取り組みを通して、自分自身も研究と活動の幅を広げていきたいと思います。
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message

 「自分が専門的に研究していることを、専門用語に頼らずに、わかりやすい言葉を使ってきちんと説明できるかどうか考えなさい。」
これは僕が恩師から受けた教えです。自分の専門分野を越えて他の誰かと新しいことに取り組もうとするときに、これはその第一歩になると思います。