渕上 ゆかり(ふちがみ ゆかり) 
特任教員紹介
渕上 ゆかり(ふちがみ ゆかり)
特任助教
専門分野 地域研究・林学
担当業務 総務、選抜審査評価、広報
担当授業 超域イノベーション総合授業レポート
超域イノベーション展開(授業レポート) 他
チューター担当
学部・学科
人間科学・言語(箕面)
研究関心 ・自然資源利用の持続可能性評価
・山間地におけるコミュニティのあり方
・マングローブ林における「利用を通じた資源管理モデル」の構築と社会実装手法の確立
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研究紹介

img_sp-appo_futigami-yukari_01 「持続可能性」という言葉を耳にする機会が近年増えてきているかと思いますが、何をもって「持続可能だ」と断言できるのでしょうか。持続可能性の評価軸は一元的ではなく、複数の指標を用いて包括的に評価しないといけません。私は環境保全・経済活性・地域定着性の3つの指標を用いて、自然資源利用の持続可能性評価を評価することを試みています。これまでの関連研究としては、インドネシア・沖縄県八重山諸島のマングローブ利用、大阪府森林組合のバイオコークス生産の環境負荷評価、奈良県十津川村神納川集落の地域活性に関する研究などがあります。
 一番長く続けている研究は、マングローブの利用に関する研究です。インドネシアの沿岸域では、マングローブの伐採が法規制により禁じられていますが、伝統的な生業として製炭業などに利用してきた地域住民は簡単に他の生業を見つけることが出来ません。環境保全の視点からみると、伝統的な手作業によるマングローブ製炭業は、再生可能な範囲内での利用量に留まっています。ですが、商工業開発による大規模なマングローブ伐採には公的に許可が下り、地域住民による利用は少量であっても規制の対象となるという不平等があります。このような状況において、先の3つの指標から地域住民によるマングローブ利用の持続可能性を評価し、最適な利用方法・利用量に関する情報を含めた「利用を通じた自然資源管理モデル」を地域に提案することを目指しています。
 インドネシアでの研究を発展させて、2016年度から沖縄県石垣島・西表島におけるマングローブのツーリズム利用の持続可能性に関する研究を開始しました。沖縄でも多くのマングローブ林が国立公園や保護林に指定され、伐採が禁止されています。現在見られる利用方法は、ツーリズム・エコツーリズムの場としての景観利用が主です。ですが、景観を利用するツーリズムも、直接的な伐採利用ではありませんが環境への影響はゼロではありません。遊覧船などが起こす波でマングローブの根が露出し、倒木するという被害が大きくはありませんが存在します。これらの影響を「環境保全」の面から調査するとともに、ツーリズム業による地域の「経済活性」、住民の雇用やツーリズム事業に対する地域感情(伝統的な利用方法の現状)などの「地域定着性」の調査を通して、沖縄県におけるマングローブ利用状況を評価することを目指しています。実は、10年前に西表島・石垣島でマングローブを見たことが、今の研究を始めるきっかけになっています。10年の時を経て、自身の研究関心の原点である八重山諸島に再び戻ってくることが出来たことはとても幸せなことだと思っています。 img_sp-appo_futigami-yukari_02

私にとっての超域とは?

 「専門分野の垣根を超える」こととして、2通りのイメージを持っています。一つは、異なる分野の手法や思想を自分の中に取り入れることで自分の足を長くして、垣根を越えるイメージです。もう一つは、異なる分野に対する先入観や偏見を排除し、垣根自体を低くしてしまうイメージです。もちろん、これは学問分野に限ったことではなく、趣味や人間関係、宗教や政治、そしていつか訪れるかもしれない異星人?との交流の際にも適応されるかもしれませんね。。

超域生の声

 フィールド調査先のおじいちゃんにも大学の学生にも、誰にでも好かれる明るさとユーモアを持ち合わせた渕上先生。研究やワークの進め方から恋愛の始め方まで、どんなことにも真剣に相談に乗って下さいます。ミクロで具体的な地域の調査とマクロな概念を跨ぎ、国境をも超えた視点と思考でアドバイスを下さる渕上先生は、様々な面でたくさんの超域生に刺激を与え、楽しく成長させて下さる貴重な先生です。

2014年度生 堀啓子さん

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 他分野(相手)へのリスペクトは重要ですが、専門(自分)への自信も忘れないでください。超域的視点はもちろん大事です、ですがそれだけに捕らわれて専門分野に特化した考え方を「視野が狭い」「タコツボ的」などと簡単に評していませんか。「狭い」は「深い」、「浅い」は「広い」、と言い換えられる場合も多いです。良いところと悪いところ、どちらも平等に評価できるようになってください。