Activity Reports超域履修生による、ユニークで挑戦的な活動のレポート。

授業レポート | 超域イノベーション総合


地域コミュニティの新たな拠点となるような小学校跡地の活用方法

2017/2/2

課題提供者: NPO法人 結びめ

本チームの課題は、滋賀県高島市の広瀬地域において、2016年3月に廃校となった小学校跡地の活用方法を考案し、この地域の将来的な拠点形成につながる提案をすることでした。

■活動概要&成果

コミュニティという課題

チーム活動をはじめるにあたって、まずは「地域コミュニティの新たな拠点」をどう定義するかが問題となりました。というのも、「地域」には行政単位としての市町村だけでなく、ミクロな単位での共同性や、実際的かつ横断的な人の結びつきが含まれるからです。一方で、2005年に5町1村が合併して誕生した高島市において、「地域」や「コミュニティ」は、合併前の行政単位と強く結びついていることも調査のなかでわかってきました。こうした現状理解のなかで、人口減少が進む新しい時代のコミュニティとはどういうものか、そこで拠点となる施設にはどんな機能が必要なのかを考えながら、議論は進んでいきました。

地域におけるイノベーションとは?

高島市内では廃校活用の先例が少なく、すべてが新しい取り組みとなりました。そこで履修生たちは、現場の調査を通じて課題の抽出を行うとともに、日本各地の先進事例の視察や情報収集を精力的に行いました。そして、現在の地域振興の取り組みが、新しいアクターを巻き込んだイノベーティブな場を作り出していることを感じ取りながら、高島の地で何ができるか、何をすべきか、アイデアを練り始めました。

持続可能な小学校跡地利用の方法

最終段階では、考案したアイデアの数々を、持続可能な仕組みとしてどう実装していくかが大きな課題となりました。できることとやるべきことのギャップを埋めながら、最終的に、トライアル期間を設けた施設運営の提案を行いました。5年後を一つの区切りとし、常設的な利用と住民参画事業が一体となった仕組みを採用することで、継続的に地域振興の活動にコミットでき、そこから波及効果が生まれるような活用案にまとめました。

■課題提供者の声

NPO法人 結びめ 清水安治

地域社会における課題対応は、机上の論理だけでは到底解決できないものです。私たちがテーマとしている地域コミュニティとの関わりにおいても、人と人の関係性に立つ実践的な試行錯誤の連続です。その段階で、博士課程で身につけた論理的な思考や深く幅広い知識があれば、実践の場で「超域」的な解決策を見いだすことが可能でしょう。髙島でこれまで発揮していただいた皆さんの前向きな行動力で切り拓いてほしいと思います。

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