Activity Reports超域履修生による、ユニークで挑戦的な活動のレポート。

授業レポート | 自主実践活動


博士と社会の幸福な出会いに向けて

2017/2/2

Text: 理学研究科・化学専攻 山脇竹生

科学技術イノベーション人材の政策に関する調査研究業務

私は、これまでの超域の活動を通じて、社会の課題に目を向けるようになりました。そこで、自らが社会にどのように貢献できるかという問い、すなわち、博士のキャリアパスについて興味を持ちました。調べると、博士進学の阻害要因として、経済的な問題に次いで就職の不透明さが理由に挙げられていること、また、科学技術政策上、博士人材のキャリアパスの多様化が求められていることを知り、博士のキャリアパスの調査は個人的興味にとどまらず社会的課題の解決につながることが分かりました。そこで、「超域イノベーション実践」の枠組みをつかって博士の社会での活躍状況を調べることにしました。

博士人材のキャリアパス把握や可視化に向けた取り組み等を行っている、文部科学省科学技術・学術政策所第1調査研究グループにおいて、2ヶ月の調査研究業務の受け入れを依頼し、研修生として業務に携わらせていただきました。今後、博士の就職者数が拡大すると考えられている職種の中から、シンクタンクおよびコンサルティング企業を選択し、これらの企業が博士の採用についてどのような考えを持っているかについて調査しました。これらの企業は業務として調査研究を行うことから、博士の強みを生かせるのではないかと考えての選択でした。6社の人事担当者に対面のヒアリングによって意見を抽出しました。その他、博士号を持つコンサルタントや大学の職員の方を併せて、計10件のインタビューを行いました。

調査結果は報告書としてまとめ、リサーチ・アドミニストレーター協議会第2回年次大会にてポスター発表しました。自らが超域の活動で得た経験を、博士の採用問題に対する解決策に含めることで、独自性のあるまとめができ、また、リーディング大学院の取り組みについてアピールすることができました。