活動レポート

● 活動レポート:キャリア支援Part 1

博士人材交流会CBIスクエア2016

Texted by 大谷 洋介

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 この度、博士人材の積極的な活用を社会へ向けて訴えるべく、平成28年9月26日(月)グランフロント大阪にて“博士人材交流会CBIスクエア2016”を開催いたしました。

 社会を取り巻く環境がその複雑さを増すなか、超域イノベーション博士課程プログラムでは、様々な境域を超えてそもそもの課題を設定し、革新を恐れず解決策を描き出し、社会システムの変革を先導する新時代の博士人材の育成に取り組んできました。
 しかしながら、このような博士人材教育は新たな切り口によるものであることから、教育研究職以外のキャリアパスの開拓が大きな課題となっています。このような状況の一因は、そもそも博士人材マーケットが狭いことに加えて、専門力と汎用力を兼ね備えた博士人材には先行モデルがないことから社会の側に活用イメージが存在せず、また大学・学生側のキャリアイメージについても具体化が十分ではないことにあります。
 当プログラムが育成を目指す「高度汎用力博士人材」たる能力は既存の評価体系ではその価値を見出しづらく、数値による評価が非常に困難なものです。本プログラムが理念として掲げた能力を徐々に学生が身に付けつつある今、社会における博士人材の活用を問い直し、変革をもたらす人材の「輩出」のためには、企業との意思疎通・相互理解による評価が現状最も有効な手段であるとの考えから、交流を主目的とした本会を開催する運びとなりました。

 本会では、①経済界における新しい博士人材に対する理解の醸成 ②学生自身による社会の中での活躍イメージの明確化 ③企業内での活躍の場の創出 の3点を実現する契機を作り出すことを目的とし、下記の内容を実施しました。

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 当日は23企業・団体から32名の参加を受け、オープニングセッションではダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベー ションセンター リサーチ・コーディネーター 伊藤宏幸氏、パナソニック株式会社 全社CTO室技術人材戦略部(兼)先端研究本部人事・総務部 部長 中尾類氏にご登壇いただき、当プログラム教員およびご参加いただいた企業間で博士人材の可能性、登用イメージについての意見交換会を実施しました。

aオープニングセッション

 続く交流会では9研究科18名(文系7名、理系11名)の学生が自身の経験・研究とそこから得られた能力について紹介するポスターを展示し、それを交えた自由な交流の場としました。

aポスター展示写真1 a参加学生2

 交流ワークショップでは学生2名、企業参加者3名の5名一組で「企業内でどのような働き方をしてほしいか、どのような働き方をしたいか」というテーマを出発点として、ディスカッションを実施しました。

 ポスター展示、交流ワークショップを通じて、参加企業の方には特徴的なカリキュラムや海外経験等、および学生の研究テーマについて興味を持っていただけた様子で非常に活発な意見交換が見られました。学生側は企業の方がどのような点に興味を持つのか、事前の予想とは違い今後に活かせそうだとの感想が出ていました。

a参加学生

 本会の事前と事後に参加企業を対象として実施したアンケートでは、「知的・専門的な」に偏っていた博士人材に対するイメージが、本会を通じて「人付き合いの良さ」「決断力のある」「活発な」「リーダーシップ」といったイメージへ変容したことが見て取れます。また本会実施後に企業の方から「いい意味で博士の方への印象が私の中でガラッと変わった」「どの学生さんも非常に生き生きと話をしていた」「文系の学生についても、専門からマーケティングに繋がる可能性を感じるなど、当てはまる業種はあるように感じた」等の意見をいただいており、博士人材の実像への理解醸成という目的については、ひとまずの成功を収めたと言えると考えています。
 一方で、「どのような場所に登用できるかは議論が必要」「企業側でも受け入れ活用するための仕組み作りが必要」「企業がドクターに求める人材、ドクターが本来社会に対して担う役割などはまだまだ議論の余地がある」といった意見もいただいており、社会の中での活躍イメージを明確化し、活躍の場を創出するためには、より一層の取り組みが必要とも感じています。

aポスター展示写真2

※本交流会は文科省「博士課程教育リーディングプログラムにおける プログラム学生企画の産業界等への広報に資する活動の支援」を受けて実現したものです。

a交流ワークショップ

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