2. 事前学習

ライフスキル・トレーニングは、
大学内での事前学習・事後学習となる2回の講義(講義名:スポーツコミュニケーション)と
2泊3日の合宿プログラムから構成されていました。
まず事前学習で行った内容について振り返ってみます。

2-1. トップアスリートとのディスカッション

 2012年度の事前学習は、トップアスリートとのディスカッション・体力測定・合宿プログラムの企画のためのディスカッションを行いました。ディスカッションは、本プログラムの岡本依子特任講師(テコンドー:シドニー・アテネ・北京五輪出場、シドニー五輪銅メダリスト)をメインファシリテーターとして、アスリートネットワーク(http://www.athlete-network.jp/)からゲストインストラクターとして、朝原宣治氏(陸上短距離:アトランタ・シドニー・アテネ・北京五輪陸上出場、北京オリンピック男子4x100mリレー銅メダリスト)、森本さかえ氏(女子フィールドホッケー:アテネ・北京オリンピック出場、天理高校教諭・天理高校女子ホッケー部監督)を交えて、それぞれから選手時代のエピソードとそこでの経験や考えについて、岡本さんは、「感謝が、コンディションのバロメーター」、朝原さんは「100メートルは人間力」、森本さんは「チームスポーツで培うスキル」というキーワードを使って紹介の後、履修生とのディスカッションを行いました。
 特にディスカッションが盛り上がったのは、トップアスリートとして良いパフォーマンスを残すためには、1)競技に楽しんで取り組むことのできるポジティブな思考(You can do it!)の必要性について(岡本さん)、2)チーム競技における個人パフォーマンスの位置づけとリーダーシップ、特に日本のチームと海外のチームの違いについて(森本さん)3)体力的に恵まれているとは言えない日本人のとるべき戦略、特に安定して結果を出すことのできる精度の高さについて(朝原さん)でした。さらに3人とも、個人競技と団体競技の両方、国内と海外の両方のように異なる領域や環境での経験を持っておられたことでした。
 これらのディスカッションから、3人のトップアスリートの経験から、“超域した”経験が自らのポテンシャルを高めると同時に、これらの経験から身につけた俯瞰的な見方、考え方によって自らをコントロールすること(ライフスキル)で、トップアスリートの領域で活躍できたことに貢献していたことを超域履修生は理解できたのではないかと思います。


2-2. 体力測定

 ライフスキルを獲得するためには、まずは現状の自己の能力についてしっかりと把握しておくことが重要です。現状を知り、弱いところを強めるのか、あるいは強いところを生かしていくのかによって自らの身体能力を活動に活かしたりやチームでどのような役割を果たしていくのかの戦略が必要になってきます。そこで、ディスカッションの後に室内での各種体力測定(血圧・身長・体成分測定・準備運動・閉眼片足立ち・握力・長座位体前屈・肺活量・全身反応時間・垂直跳び・上体おこし)を行いました。これは、自らの身体能力を把握することを第一の目的としていますが、合宿プログラムでのチーム編成の際に参考とする指標ともなりました。多くの超域履修生は、日頃使っていない体の部分を使うことになりました。

2-3. ライフスキル・トレーニング合宿準備のためのグループワーク

 事前学習の最後は、この後行われるライフスキル・トレーニング合宿の準備のためのグループワークを行いました。今回の合宿は、洲本市教育員会の全面協力のもと行われました。合宿期間中に行われる予定の、洲本市の子どもとの交流会と、アスリートネットワークin 洲本主催の子ども対象のスポーツイベントであるキッズドリームスポーツチャレンジにファシリテーターとして参加しどのように協力するか、そして合宿を通じてチーム対抗を行うためのルール作りについて3つのチームを作り、それぞれのチームで具体的な企画についてディスカッションを行いました。洲本市教育委員会事務局の岩熊隆之氏も大阪大学までこられ、ディスカッションに参加されました。履修生はそれぞれのチームの目的を共有し、役割分担を行い、残る準備は当日までにそれぞれが適宜関係者と連絡を取りながら進めることになりました。このプログラムでは、このようにチームによるプロジェクトマネジメントを意識しながら進めていくことになります。


1.目的 2.事前学習 3.合宿一日目 4.合宿二日目 5.合宿三日目 6.事後学習・まとめ