● 超域ラーニング「ライフスキル・トレーニング」
スポーツコミュニケーション

ライフスキル・トレーニング
2012 レポート

2013年1月
岡本依子 平井啓 太刀掛俊之
黒崎健 山崎吾郎 標葉靖子 田中奈津紀

 超域イノベーション博士課程プログラムでは超域ラーニングの必修科目として、ライフスキル・トレーニングという授業を設けています。このプログラムは、超域イノベーション博士課程プログラムにおいて重視される汎用力の一貫として、実際に体を使うことで、体力増進だけでなく、時間管理、目標設定、コンディションニング、コミュニケーションスキル、さらにはチームにおけるリーダーシップからなるライフスキルを習得していきます。
 このプログラムは、オリンピックメダリストやオリンピック代表選手のトップアスリートが講師(岡本依子特任講師)ならびにゲストインストラクター(朝原宣治氏(陸上短距離)・森本さかえ氏(女子ホッケー)・小島茂之氏(陸上短距離)・江里口匡史氏(陸上短距離)・鈴木 祐美子氏(カヌー)となり、1日(4時間30分)の学内での事前学習と3日間の実技を中心とした合宿、そして1日(3時間)の学内での事後学習によって構成されています。特に合宿では、自らの体力の限界を“超える”体験をすることで本当の意味でライフスキルを獲得することを目的としています。

Index

1. ライフスキル・トレーニングの目的

1-1. ライフスキルとは?

 

 WHO(1993)では、ライフスキル(Life skill)を日常生活で生じるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するための必要な能力と定義しています。このライフスキルは10のスキルから構成されています(右図)。スポーツ現場では、どれだけ技に優れている選手でも、人から妬まれたら様々な妨害をされることがあります。このような周囲からの影響を競技中にマイナスの影響を及ぼさないようにしたり、さらには他人からのネガティブな感情や行為をプラスに変換できたりする能力を身につけていくことが必要になります。
 よって優れたスポーツ選手はスポーツの技術だけでなく、人としても訓練を積み、実践を重ねてライフスキルを獲得する必要があります。超域イノベーション博士課程プログラムで目標とする人物像も、社会のさまざまな状況において、このようなライフスキルを備え、自らの体力的限界をも超えることができる人物です。

  

WHO (1993) のライフスキル:
10のスキル

  • 自己認識
  • 共感性
  • 効果的なコミュニケーションスキル
  • 対人関係スキル
  • 意志決定スキル
  • 問題解決スキル
  • 創造的思考
  • 批判的思考
  • 感情対処スキル
  • ストレス対処スキル

1-2ライフスキル・トレーニングの学修目標

 ライフスキル・トレーニングには以下のような学修目標があり、それぞれ超域イノベーション博士課程プログラムの目指す人材像を示した「超域コンパスX-COMPASS」(http://www.cbi.osaka-u.ac.jp/xcompass)の6つKey driverの中の4つ(超域人間力・超域思考力・超域リーディング力・超域実現力)とさらにそれに含まれる9つのDriverと対応しています。


超域人間力
Challenge:ストレスに耐え、チャレンジ精神を持って取り組める。
Passion:未経験のことであっても、勇気をもって取り組める。
超域思考力
メタ視点:身体的に負荷のある状況でも自らを客観的(メタ的)に評価できる。
超域リーディング力
エネルギー:バイタリティー(体力・気力)を持つ。
たとえ体力がなくても気力・知恵でカバーできる。
モーティベーション:人を巻き込む力を備え、
チームのモチベーションを上げられる。
人材育成:人に対する洞察力を備え、
仲間・チームを育てられる。
超域実現力
目標・戦略設定:目標を設定し、戦略を立てることができる。
プロジェクトマネジメント:戦略を実行に移し、計画を完遂できる。
1.目的 2.事前学習 3.合宿一日目 4.合宿二日目 5.合宿三日目 6.事後学習・まとめ