Professors & Lecturers様々な分野の教員が履修生の学びを支援します。

特任助教永井 裕太Nagai Yuta

専門分野
建築学・都市計画
担当業務
選抜審査・選抜広報
研究関心
ブダペスト旧ユダヤ人居住区における街区内部の空間構造変容
都市組織の再構成
千里ニュータウン開発前後の旧集落と耕作域における地域文脈の解読

研究紹介

都市・地域の空間改変や大災害からの復興において、継承するべき大切なものの価値を「地域文脈(地域コンテクスト)」として捉え、ブダペスト・旧ユダヤ人地区や千里ニュータウン、東日本大震災の被災地における調査・研究を行っています。

ブダペスト・旧ユダヤ人地区について

ハンガリーの首都ブダペストにある旧ユダヤ人居住地区(以下、Jewish Quarter)は、ユダヤ人が居住を定着させ、活発な経済活動を展開した19世紀半ばから、1940年代のナチス弾劾、地区の形成期、共産主義の時代、現代と様々な時代を経て都市が形成されてきました。特に18世紀後期、賃貸に限り市壁内におけるユダヤの居住が認められると、19世紀中期にかけてユダヤ人の居住が定着し、次第に経済活動が活発化していきました。当初は土地の所有を認められなかったため、賃貸アパートを事務所や礼拝堂に改造しており、この頃、初めて建物内に抜け道が形成されました。街区を貫通して形成された歩行者のための抜け道は、商業的空間としてのパサージュのほか、ユダヤの礼拝堂であるシナゴーグへのアクセスを容易にする通り抜けとして活用されていました。つまり旧ユダヤ人居住区では、街路、パサージュや生活動線のための通り抜け、街路から自由に行き来できる中庭が存在し、それらが人々の生活を支えていたのです。では、ユダヤの生活様式や宗教文化に合わせながら形成された空間形態は、現代や将来の都市において、どのような意義を持っているのか。19世紀半ばから現在に至るまでの時代の特徴や街区構造の変化の特徴を明らかにし、全時代の地域文脈においてユダヤ人が形成した都市空間の特徴を位置付けることで、今後の地域整備の在り方を検討するための研究を行なっています。

 

千里ニュータウンについて

千里ニュータウン開発前の旧上新田集落ならびにその耕地・里山の社会・空間の構造について、地域文脈の観点から分析しています。旧上新田集落の耕地は、千里丘陵の谷底低地を活用することで形成されていますが、谷底低地の規模に合わせて、殿池、仲間池、個人池が作られ、それらの水が水田に供給される水系のまとまりにより、維持管理を分担するための社会組織が形成されています。空間・地形と人・社会との相互浸透的な関係を、いかにして千里ニュータウンの再整備に生かすことが出来るのか、その課題提示と今後のあり方を示すことが研究テーマです。

私にとっての超域とは?

本プログラムで学ぶ「超域イノベーション」とは、全く異なる分野からのアプローチによって新しい技術が生まれ、同時に社会を変えること。そして、その社会が技術をも変えることだと思います。そのためには技術と社会の相互の関係をどう創るかが大切だと考えています。私が専門とする建築学の分野では、建物や空間と人・社会との関係をより良くするための空間デザインを追求してきました。その知見と経験を生かし、技術×空間×社会というイノベーションの可能性を探りたいと考えています。

超域生へのメッセージ

複雑化する社会課題を解決するためには、多様な分野や立場の人々の大切な考え方を理解し、自身の理念をも相手にわかりやすく伝えることのできる「汎用力」、様々な分野や意見を総合的に理解し、統合へとつなげていくことのできる「俯瞰力」、そして、チームワークにより創造的で革新的なアイデアを生み出す「創造力」、どのような困難に遭遇してもやり抜く「実践力」が必要不可欠です。そして何より、色々なモノ・コトへの好奇心を忘れないで下さい。専門分野の枠を超えて共に成長できることを楽しみにしています。