カリキュラム概要

 以下の図表は、コースワークの流れを、修得すべき知識・能力のKnowledge,Skills,Integrationの中でもIntegrationについての科目群を中核に据え、それぞれの科目等が目的とする獲得すべき力にわけて提示したものです。なお赤い線で囲っている科目は「超域イノベーション・コア」に該当します。

プログラム独自のコースワークの編成

 本プログラムでは、以下のカテゴリーごとに授業科目を提供しています。なお、以下では授業の例をあげている場合がありますが、
平成28年10月時点の予定であり、変更の可能性があります。

(1)Basicコース

 Basicコースでは、在籍研究科の博士前期課程等での教育研究を通じて培われる専門力を基盤としつつ、研究科横断型・副専攻方式のコースワークを通じて、課題設定や課題解決、社会での実践のための基盤となる汎用力を修得することを修了認定の要件とします。教育目標の3つの柱である、①高度な教養や知識に関わるKnowledge、②社会で専門知を活かすためのSkills、③イノベーションの実現に関わるIntegrationを体系的にコースワークに整備しています。また、Advancedコースにおいては、Basicコースでの学びを統合していくことによりトップリーダーに求められる総合力の骨格を養います。

① 超域イノベーション・ラーニング

■超域イノベーション・コア

 課題設定・解決能力ならびにその実行・実装のための総合的な能力を修得するために、1、2年次に、社会課題とその解決をテーマとしたワークショップ型やプロジェクト型の授業を行います。課題の発見・定義から課題解決のためのアイデアや戦略を立案するまでの一連のプロセスについて、実習、ミニプロジェクト、ワークショップをとおして実践的に学習します。

●授業の例:
超域イノベーション序論「超域イノベーションとは何か?」
課題解決プロジェクト入門
システム思考
デザイン思考
社会の中の科学技術「社会の中の科学技術-トランス・サイエンス的問題-」
課題解決ケーススタディⅠ~Ⅴ
フィールドプロジェクト

■超域イノベーション・知識・教養

 本カテゴリーは、以下の3つの系から構成されます。
 文化と歴史/社会のしくみ、科学と技術、社会の今とこれから
 文理にまたがる多様な分野の専門知識について、異なる専門領域の基本的な知識と発想法を身につけることを目的とします。つまり、各領域の専門知識を詰め込むのではなく、異なる分野の「学び方を学ぶ」こと、異なる分野との「協働の仕方を学ぶ」ことを目指します。また、既存の学問分野の枠組みに依拠して学習するのではなく、実社会にみられる重要なトピックスをとりあげて、問題志向や解決志向といった観点から、学際的に課題にアプローチする可能性と意義について考えます。そのことで、学問の実践的なあり方を学びます。

●授業の例:
超域人文社会科学Ⅰ、Ⅱ
超域理工学Ⅰ、Ⅱ
イノベーションと政策論
イノベーションと経営学
イノベーションとシチズンシップ組織論
イノベーションと国際協力論

■超域イノベーション・展開力

 本カテゴリーは、以下の2つの系から構成されます。
 トランスファラブルスキル系、研究リテラシー系
 それぞれの専門分野で培った思考力や知識を、専門とは異なる場面や複雑な社会的状況においても有効に活用し、活動の場を広げられるよう、専門力を展開していくための授業です。
 トランスファラブルスキル系では、領域を「超えて」知識や技能を活かそうとする際に必要となる、表現技法、コミュニケーション力といった、さまざまな実践的スキルを身につけることを目的とします。また、研究リテラシー系では、統計リテラシー、リサーチデザインといった、すべての研究者が身に付けるべき基礎的な研究リテラシーについて、具体的な場面を想定した学習を行います。

●授業の例:
トランスファラブルスキルワークショップⅠ~Ⅲ
アートクリエーション
統計リテラシー
リサーチデザイン

■超域イノベーション・言語

 超域アカデミックイングリッシュⅠ~Ⅳでは、グローバルに活躍するために必要不可欠な英語の運用能力についてのトレーニングを継続的に行います。1~2年次に必修科目として履修します。
 履修生には適宜、International English Language Testing System (IELTS)などにより英語力の判定を受けることが求められます。
 なお、英語以外の外国語については、本プログラムが指定する大阪大学で開講されている外国語科目等(全学教育推進機構が開講している共通教育外国語科目及び外国語学部が開講している兼修語学)を提供します。

② 超域イノベーション・アクティビティ

■超域イノベーション・海外研修

◆集中語学研修(サマースクール)

1年次の長期休業の期間を利用して、海外での集中語学研修(サマースクール)を行います。平成28年度は、カナダ、ブリティッシュコロンビア大学での語学研修プログラムに4週間参加し、総合的な英語力の向上を図りました。また、滞在期間中、履修生はそれぞれ異なる現地の家庭にホームステイをして、日々の生活を通じて多文化社会を体験し異文化への理解を深めました。

■超域イノベーション・オフキャンパストレーニング

◆海外フィールド・スタディ

 履修生の日常とは異なる文化的、政治的、社会的、経済的な背景を持つ人びとが生活する場所を訪問し、グローバル化の時代における多様な世界を感じることのできる場に身を置き、その社会が抱える課題をともに考えることを通じて、世界を複眼的に認識する視点を養うための実習を行います。基本的には1年次に履修し、実施します。平成26年度は、ブータン王国、東ティモール民主共和国、平成27年度は、スリランカ民主社会主義共和国、マーシャル諸島共和国で実習を行い、平成28年度はサモア独立国とフィリピン共和国で行う予定です。

◆グローバルエクスプローラ

 履修生各人の関心と希望に基づき、海外(国内も可)の企業や大学、非営利団体、国際機関などを単身で短期間訪問し、将来のインターンシップや幅広い実践活動へ向けた活動を行います。訪問を踏まえて、将来の諸活動やキャリア展開に向けたアクションプランを作成し、キャリア形成のイメージ作りを具体化します。

◆スポーツコミュニケーション

 オリンピック経験者などのトップアスリートが身につけている体力増進、時間管理、目標設定、コンディショニング、コミュニケーションスキルをもとに、ライフスキルとリーダーシップについて学びます。講義科目に加え、実際に身体を使う実技を組み込んだ合宿を実施します。フィジカルトレーニングに関する基礎知識等を得るための講義を実施し、講義中にトップアスリートの経験談を聞く機会も設けています。また、学外で実施する合宿では、実際のスポーツを通じた目標設定・戦略・戦術実行に関するグループワーク等を行います。

■超域イノベーション・リサーチスキル・ラーニング

 コーディネーター役の授業担当教員とともに各研究科の研究室を訪問します。文系と理系を典型とする様々な専門による研究手法の違いや研究室運営の違いを感じとることを通じて、大阪大学で行われている学問の多様性や研究の現状を理解します。また、各分野での研究スタイルにふれることで、専門以外の異なる研究分野に対する関心を高めるとともに、自分が取り組んでいる研究の特徴を相対化してとらえなおし、対比を通じて自らの考えを深める糸口となることを意図します。

■超域イノベーション・自主企画型活動

 履修生が主体的に授業に参加できるように、自分の受けたいと思う授業を自ら企画立案して実施するための自主設計科目を設定しています。自主設計科目では、まず教員の指導のもとで授業の企画を入念に作り上げる作業を行い、十分に教育的効果があると認められた企画を、実際に授業として開講します。(平成28年度以降の入学生に関しては、自ら授業の企画立案に携わることはありませんが、本プログラム履修生の先輩達がつくった授業を受けることができます。)
 また、プログラムが提供する授業以外の場で、履修生が企画にも関わって行うプログラムの活動のうち、一定の教育的効果が認められる活動を演習科目として認定します。各自の関心と計画にしたがって、活動の場を異分野や実社会へと広げ、積極的に協働の場を作り出し、自らの能力を高めていくことを目的としています。

(2)Advancedコース

 Advancedコースでは、在籍研究科の博士後期課程等での教育研究を通じて培われる高度な専門力を基盤としつつ、研究科横断型・副専攻方式のコースワークを通じて、Basicコースで獲得した汎用力を未知で複雑で困難な課題の解決を先導するための超域力、すなわち、社会でイノベーションを起すための高度汎用力にまで高めることを修了認定の要件としています。

① 超域イノベーション・ラーニング

■超域イノベーション・アドバンストコア

 Basicコースでの学修の成果を生かして、社会における実際の問題にチームで取り組む長期のプロジェクト演習を行います。企業、自治体、NPO等、実際の組織や機関から提示される課題を受けて、状況の理解、課題の再定義、解決策(フューチャープラン等)の創出、さらには具体的な提言や立案までを行います。プロジェクトの終了時には、課題を提供いただいた担当者を前にプレゼンテーションを実施し、活動の成果をまとめた報告書を作成します。

●授業の例:
超域イノベーション総合

■超域イノベーション・アドバンスト科目

 高度汎用力の養成に関する授業・演習を計画しています。

② 超域イノベーション・アクティビティ

■自主実践活動

 3年次以降に超域力を深めていくために数ヶ月程度の自主実践活動を行います。履修生の関心や専門に応じて、国内、海外を問わず、企業、大学、非営利団体(NPO、NGO)、政府系機関、国際機関などの組織を活動の舞台として選択し、そこで何らかの課題に対する解決策の立案や実装などの活動を行うことが推奨されています。

授業実践例

プログラム同時に開発され、実施されている代表的な授業例。この他、さまざまな科目や活動も実施しています。

■超域イノベーション・コア

「超域イノベーション総合」

超域ラーニング

社会における実際の問題を取り上げ、状況の理解から問題の定義、その問題に対する解決策(フューチャープラン等)の立案に取組む、プロジェクト型の授業です。本授業は、フィールドの専門家とも連携したチームでの活動を通じて、イノベーションを先導するための課題設定や課題解決のための力の礎を、プロジェクトを通じて形成します。現地観察やフィールドワーク、インタビュー調査を行い、様々な情報を分析して課題を再定義し、グループで議論を重ねて解決先を見いだすまでの一連のプロセスを経験します。

■超域イノベーション海外研修

「海外フィールドスタディ」

「海外フィールドスタディ」

一年次に行う「海外フィールド・スタディ」では、事前授業の後、数週間の海外研修を行います。履修生たちは、日常とは異なる文化的、政治的、社会的、経済的な背景を持つ人々が生活する場所を訪問します。国境を越え、実際の生活を体験し、普段ふれあうことのない他者と対峙することによって、自分自身の価値観を相対化し、世界の多様性を理解します。平成26年度は東ティモール、ブータンに分かれてチームで実習を行いました。

■超域イノベーション・言語

「アカデミック・イングリッシュ」

アカデミック・イングリッシュ

アカデミック場面におけるプレゼンテーションやライティングについて、演習中心の実践的な授業です。授業はすべて英語で行われ、グループディスカッションや発言の機会も多く設定されています。文章の読み書き、自分自身の専門を伝える練習や自身の主張を効果的に説明するためのスキルなどを身につけます。さらに他分野の学生とともに、相互に影響し合って、英語を学ぶことで、専門に偏りすぎない言語能力の修得を目指します。

※本プログラムのホームページにて、履修生教員の授業レポートを公開しています。