TEXT BY 王 露園
研究科:人間科学研究科
専攻:文化社会学
専門分野:ジェンダー研究

今回のインターンシップはフィリピンに行きました。フィリピンのマニラとセブでの活動を通じて再認識できたのは、やはりあらゆる福祉活動の正当性でした。セブの大学のNGO活動サポートオフィスの人たちに案内してもらい、私たちがいくつかのNGO活動の現場を訪ねました。その中に訪問した子ども教室の外に、大量な子どもが羨ましそうに中にいる子どもたちを見ていることに気付きました。他に、三番目の教会子ども教室のほうは学習条件がいいこともはっきり分かりました。他の子どもはどうして教室に行かないかと聞いたら、その子どもたちの両親は一ヶ月50ペッソルの学習代も払えないからとの答えでした。これみると、実はこの慈善という良きものとして理解されている活動の中に、きちんとした格差ができていることが明白でした。元々この年齢段階の子どもが理解していないかもしれない格差を、こんなにも早くて教室空間を持って知らせる(もしくは再認識させる)ことは本当に何も問題ないでしょうか。もちろん、慈善だけで世の中の貧困問題を解決できるわけがないことに関しては誰しもわかっていると思いますが、どのような形で一番適切でサビースをするかという問題を追求し、実践を超えてNGO活動研究もきちんとしたほうがいいと思いました。
短い期間で何もかもフィリピンに関して把握できるはずがありません。だが、この経験は私の通念を崩させることで不可欠であると思えました。それは、中国人としての通念であり、日本に長期に暮らしたことを通じてできた通念でもあります。人間はいかに自分の観察に疑わずに信じてしまう過信の生き物であることをもう一度思い知らされました。たしかに個々人の価値はあらゆる社会に溶け込むに連れて、その正当性を常に問い直さなくなるでしょう。フィリピンでの見聞は将来研究者になるつもりでいるわたしくのスタンスの形成においてとっても大事だと思います。