平成25年4月13、14日の2日間、コスモスクエア国際交流センターにて新学期オリエンテーション合宿が行われた。ここで初めて超域関係者・一期生・二期生が一堂に会した。
 マナー講座、元文部科学大臣である遠山敦子先生の講演会・座談会、演劇ワークショップによるコミュニケーションデザインの授業、一期生による海外実習の経験談、アカデミック・ライティングなど、内容は盛り沢山。朝から密度の濃い内容で疲れているかと思いきや、夜は夜で話に花が咲く懇親会。学年を超えて履修生同士、先生方と遅くまで語り合い、バイタリティに溢れている様子が垣間見られた。

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●「コミュニケーションデザインとは何か?」

 超域ならではの、平田オリザ先生による授業。学年に関係なく動き考え、意見を出し合った。これによって自然と学年の溝が埋まっていったように感じられる。

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●海外実習経験談

 一期生は海外実習から帰国したばかり。学びたてほやほやの熱い想いを二期生にぶつけた。パワーポイントを使うなどして各自がそれぞれの経験談を話した。更に自分たちの経験から、二期生にとってより良い海外実習となる為のアドバイスなどもしていた。

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●一期生による二期生へのサプライズプレゼント!

 Big SibとLittle Sibという留学経験者のアイディアから始まったこの企画。誰からもらったプレゼントかは明かされず、「超域プログラムにようこそ!何かあったら私たちがいるからね」という温かいメッセージをそれぞれのプレゼントに託した。二期生はそれをしっかりと受け取ったことと思う。

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さて、チョウイキジジョウ初、二期生にも記事を寄せてもらった。今回の合宿をどのように感じたのか、彼らの声を聞いてみたい。

二期生レポート

超域イノベーション博士課程プログラム二期生 花井舜平

 過密スケジュールでしたが、オリエンテーション合宿では素晴らしい体験ができました。
 一番印象に残ったのは、超域一期生による海外実習での体験談の発表です。一期生はこの1年間、夏季休暇を利用したオーストラリアでの語学研修、先進国でのプレ・インターンシップ、発展途上国でのフィールドワークなど、様々な海外での経験を重ねてきました。
 彼らはコミュニケーションに必要な英語力を学んだだけでなく、現地で活躍する起業家や大学教授と各自でアポイントを取って対談しに行くなど自主的かつアクティブな活動をされていました。更に、美術館や博物館で現地の文化を貪欲に体験したという話も聞きました。慣れない英語に戸惑うことなく現地でしか味わえない文化・考えを積極的に吸収していく姿勢には非常に刺激を受け、同時に自分にもそのチャンスがあることに喜びを感じました。そして何よりも、海外での厳しい環境や貴重な体験を経てきた為か、一期生の発表はとても自信に満ちていました。堂々としていて分かりやすく、しかも見る人をわくわくさせるプレゼンテーションはまさに超域力ではないでしょうか。
 また、困難な課題に取り組む姿勢をお話ししてくださった元文部科学大臣の遠山敦子さんの講演も、リーダーシップを考える上で、非常に参考になりました。特に文化庁長官、文部科学大臣時代や外務省のトルコ大使時代の数々の難題に対する乗り越え方はまさにリーダーであると感じました。仕事へのロマン・揺るがぬ決意・挑戦と粘り強さを持って仲間と一致協力すること。これらは、まさに私がこれから心がけていきたいことです。挑戦していく上で、人の役に立つということを常に心に留めておいてほしいという言葉も真摯に受け止めたいと思います。
 このような密度の高いオリエンテーションを経て自分の目指すべき方向性・姿勢を改めて感じることができ、超域での活動に対してモチベーションが高まりました。

一期生レポート

超域イノベーション博士課程プログラム一期生 佐藤紗良

 今回の合宿は主に一期生と二期生の顔合わせを目的としたレクリエーションだった。春期休業期間が終わったばかりの幸せな時期なのに、海外実習から帰ってきたばかりの一期生はげっそりした顔をしていた。逆に二期生は初々しく晴れやかな顔をしており、何もかも手探り状態の去年の我々を思い出させた。
 講義や説明会など幾つかのイベントがあった中で履修生が一番楽しんだものは平田オリザ氏による演劇ワークショップ「コミュニケーションデザインとは何か?」だろう。
 このワークショップでは、発想力や身体の記憶を頼りに身体を動かした。そこには普段気づくことのない発見があった。例えば互いにボールを投げ合うマイムをする。その際相手の動きや表情を読み取ってボールとの距離感を測ったりどんなボールかを見極めたりする。そしてそれに合わせた受け止め方のマイムをする。我々は日頃1つの動作をするときにどの筋肉が動いているかを意識することはないので、マイムすることもできない。この講義では楽しみながら様々なコミュニケーションの方法や超域で求める人物像を明確化していた。
 また海外実習の報告は二期生の参考になったであろうというのは勿論のこと、一期生にとっても他のチームが何を学んできたのかを知る良い機会となった。今まで気になっていた他のチームの動向を一度に知ることができたし、他のチームの気付きや問題意識などを共有することができた点は良かった。青い空と海、民族舞踊を踊るメンバーたち。見知らぬ空間に仲間が写っているだけでどことなく親しみが感じられてくる。話す一期生も聴く二期生も楽しそうだった。
 そして何よりも、今回の一番の目的である一期生・二期生・教員の交流。これは夜が更けるまで行われた懇親会で達成された。履修生選抜試験のときと打って変わって、真っ赤な顔で楽しそうに話す教授や、教職員に親しみを感じた二期生も多いだろう。一期生が歓迎の気持ちを込めてプレゼントや手紙を用意したBIG SIBS-LITTLE SIBSのイベントは一期生と二期生の距離を縮めてくれたと思う。これから試練が待っていると思うけど一緒に頑張ろう、何かあったらいつでも相談してね、などの様々なメッセージが寄せられた。33人で新たに動き始めた超域。ようこそ二期生。これから宜しくお願いします!