ライプニッツ研究所での先進加工プロセスの開発及び産業応用の検討(1期生 工学研究科 精密科学・応用物理学専攻 武居弘泰)

受入れ機関名:Leibniz institute of surface modification
実施期間:2016年10月~2016年12月

 ドイツは世界的な光学機器メーカーのカールツァイスに代表されるように、精密加工技術を中心としたモノづくりが非常に盛んな国であり、現在も自動車産業などと並んで主要な産業基盤として世界最先端の研究が行われています。私は、ドイツにおいて基礎研究と産業の間を繋ぐ役割を果たすライプニッツ研究所にて、2ヶ月間研究活動に従事しました。受け入れ先の研究チームは、大企業、中小企業関わらず様々な組織と連携し、民間から多額の研究費を獲得しており、充実した設備環境の中で研究に取り組むことができました。「半導体材料・光学レンズ材料を対象とした大気圧プラズマジェットエッチングの高能率化」という次世代電子デバイスや光学デバイスの製造技術開発につながる研究テーマの立ち上げを任され、基礎となる情報収集と文献調査から装置設計、実験条件の最適化、基本的な加工特性の調査までを2ヶ月間の間に行うことができました。

 これまでに研究室においても、また超域プログラムにおいても最終目標に向かって自分で短期的なマイルストーンを設定し、着実にそれをクリアしゴールに向かっていくというプロセスを何回も繰り返してきましたが、そうした経験をドイツでも生かすことができ、「限られた時間内に成果を出す」「受け入れて下さった研究チームに貢献する」という情熱をもって、周囲を巻き込んで着実に計画を実行していき、英語が不得手なテクニシャンや他の研究者とも臆せず関係を構築し、最終的に最後までやり通すことができたと思っています。また、インターン出発前から数ヶ月に渡り超域プログラムの先生に毎週マンツーマンで英語のレッスンをしていただいたおかげで英語でのコミュニケーション力は確実に向上し、現地でのコミュニケーションに非常に役立ちました。また、ドイツのライフスタイルや価値観、仕事の仕方なども日本とは異なりとても興味深く印象に残っており、超域の活動を通して国境を超えて働く楽しさや大変さを知ることができました。今後は、国籍や文化の異なる相手も巻き込んで、一つの素晴らしい技術を元にした新しい製品やサービスの開発を日本国内にとどまらず世界で実現していけるような人材になりたいと思っています。