インタビュアー:12年度生 佐藤 紗良
(取材日2013年8月)
佐藤
「今回のチョウイキジンは前回に続いて12年度生2名による対談です。メンバーは生命機能研究科の生川 佳奈さんと人間科学研究科の松村 悠子さん。まずは、それぞれの専門研究を教えてください!」

【超域生の夏休み】

松村
「私は離島におけるエネルギーシステムと地域社会への関係について研究しています。社会問題も関わってくるので広範囲の研究です。」
生川
「私の研究範囲は免疫学。ざっくり言うと、免疫細胞の中で引き起こされる特異的な機能を理解することが実験目的です。特定の細胞においてだけ発現率が異常な数値を示す遺伝子を見つけて、その遺伝子がマウスの個体単位にもたらす影響を調べるって感じかなあ。」
佐藤
「それぞれどんな方法で研究しているの?」
松村
「文献調査とフィールドワークが主です。市役所に行ってアクションプランが実際に行われているのか調べたり、実際に電力会社などに行ってインタビューしたり。環境とエネルギーの関係を調べたくて農業や漁業も見に行ったりするから体力勝負です!」
生川
「私の研究は、「手を動かしてなんぼ!」です(笑) 沢山ある中の1つの型にフォーカスを当てて、マウスを色々掛け合わせて遺伝子の影響を観察・分析しています。生きているものが研究対象だから想定外のことも多いし、コントロールも難しい。毎日研究室で頑張っています!」
佐藤
「研究するテーマ・方法・フィールドは違っても、ふたりとも体力勝負っていうところは同じだね。2人は普段から忙しい生活を送っているけど、授業とかゼミがある日はどんなふうに過ごしてるの?」
生川
「私はずっと実験作業だから、6:30頃起きて9:00から21:00頃まで実験、帰宅して0:00頃就寝。すごくシンプルで健康的でしょ(笑)実験の空き時間には、もちろん超域の課題をやったり!」
佐藤
「研究室にいる時間は長くても、工夫して自分の時間も見つけてやりくりしてるんだね?超域生は時間の使い方がうまい人が多い気がする!」
松村
「私は8:00頃起床かな。大学に行って10:00には文献を読んだり発表の準備をしています。16:00から20:00まではゼミで、その後も夕食を挟んでディスカッションしたり課題やったり。帰宅はほとんど23:00過ぎだから寝るのは明け方かな。」
佐藤
「明け方に就寝!?実験じゃなくて自分で研究を進める人は何時まででも研究ができるから逆にそういう生活に陥りやすいのかな?夏休みになって生活習慣は変わった?」

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生川
「ほぼ毎日研究室に行かなきゃいけないから、平日も休日もスケジュールは一緒!今は夏休みで超域の授業がない分、沢山実験ができるからむしろ忙しいかも(笑)
松村
「私も、夏休みは授業がない分、自分の研究に集中できる!今年は積極的に学会へ参加したり、調査に行ったりしています。」

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佐藤
「8月は、いま大注目の徳島の神山町へも訪問していたよね?すごく活動的!でもせっかくの夏休みだし、息抜きとかはしないの?」
松村
「超域のメンバーで鳥取に泊まりに行ったよ!奈保ちゃん(12年度生 橋本さん)の実家が民宿をしているからそこに泊まらせてもらいました。バーベキューや海水浴、肝試しとかして、夏の全てを満喫したって感じだったよー。13年度生とも一緒に遊べて楽しかった!」
生川
「私は猪名川の花火!1時間花火を見続けるの初めてだったし、それぞれ花火にテーマがあるのは面白かった!他にも海に行ったり宝塚に行ったり、息抜きも万全(笑)」
佐藤
「そっか、良かった!私も久々に甲子園で高校野球を観戦したよ!やっぱり夏ってワクワクするよねー!ちょっと切なさもありつつ、思い出も増える、特別な季節。悠子ちゃんはカメラ好きで写真をよく撮っているけど、花火とか、夏の写真もたくさん撮った?」
松村
「鳥取ではみんなで花火をしているところを撮ったし、他にもペルセウス流星群を撮るために近くの山に登ったよー、朝5時くらいまで星座観察してました(笑)」
生川
「えー!朝までずっと!?かっこいいー!」
佐藤
「流星群を綺麗に撮るには根気が必要よね?すごい!これも日頃、研究で培っている体力・気力のお陰かな?(笑)」

【研究室エクスプローラー】

佐藤
「さっき2人の研究スタイルの違いについて話したけど、お互いの研究方法ってかけ離れすぎてて想像できないんじゃない?かたや研究室で実験、かたや研究室を飛び出していろんなところでフィールドワーク・・・」
生川
「超域に入って実験以外の研究方法について学んだけど、それまではやっぱり文系がどういうことをしているのか、どんな方法で研究しているのか、どんな生活なのか、全く分からなかったなー。知る機会もなかったし。」
佐藤
「同じ文系の中でもスタイルはいろいろ。だから私と悠子ちゃんでも研究方法は違うよね。今年度から私たちが受講している授業、『研究室エクスプローラー』(※2年次の授業で、履修生が互いの研究室を訪問し、新たな視点を提供したり研究方法について学ぶことを目的とする)について聞かせて!」
松村
「おっ来た!(笑) 私は5回中2回訪問しました!チャーリー(12年度生 井上くん)の研究室に行ったんだけど、とっても楽しかった!フランスから来た人と風力発電の話をしたり、ゼミに出たり。」
佐藤
「ゼミはどんな感じだった?やっぱり文系から見ると理系のゼミは難しく感じる?」
松村
「やっぱり専門用語やナノレベルの話が多い。だから研究手法に関する質問しかできなくて・・・面白いと思ったのは1つの研究室でも、バイオ系とか電子系とか研究テーマが色々あったこと!」
佐藤
「文系では研究室内でテーマがバラバラなのは当然っていう感じがあるけど、理系も同じような感じなんだね。」
松村
「こういう手法がある、とか訪問したゼミで言えれば相手にも貢献できるんだけど・・・でも今度はベトナム出身のポスドクの方とディスカッションするんだ!」
佐藤
「すごい!悠子ちゃんの研究は人脈が大切だから、少しでもそういう機会があるのは良いことだね!超域の強みを生かしている良い例だと思う。なるちゃんは?」
生川
私は奈保ちゃん(12年度生・橋本さん)の研究室のラボミーティングに参加!その研究室では学外に向けての発表もしてるんだってー。すごいと思ったのは1人1人テーマが違うのに、他の人の発表に対してきちんと質問ができているところ!テーマは違っても、考え方の構築方法が決まってるからなんだな、って感じました。」
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佐藤
「それは面白い考え方!確かに研究室ごとに決まっている分析方法があるかもしれないよね。違う手法を使っている研究室のゼミに参加するだけで色々新しい発見があるね。」
生川
「そう考えるとやっぱり「超域」は人と違うことができるチャンスの場なのかなって思う。将来社会に出たとき、ここで得たことが他の人と違う個性になるから。」
松村
「私も、人脈を広げる機会が沢山あるから頑張ろうと思う。」
生川
「あと、研究と超域を両立することでタイムマネジメント能力を身に付けたいな (笑)」
佐藤
「確かに!体力勝負の2人には絶対必要な能力だね(笑)
いよいよ13年度生がオーストラリアでの語学研修から帰国します。彼らのリポートにも期待しましょう!」