■ やりたかったことが全部できる!?超域との出会い

猪口:超域にはいつごろから入ろうと思ってたの?

小林:3回生くらいからかな。

猪口:え、そんな早くから?

小林:うん、博士に行きたいって大学に入ったころから漠然と考えていて。今の研究テーマを昔から志してたわけじゃないけど、博士ってかっこいいな、とは早い時期から思ってたんだよね。
超域のことを知ったのは、3回生でちょうど研究室に配属されたころ。藤田先生(※)が超域について話をしてくれるっていうイベントがあって、それに参加しました。
※藤田先生・・・超域イノベーション博士課程プログラム プログラムコーディネーター 藤田喜久雄教授(工学研究科)。

猪口:それにしても早いなぁ。どんなとこが気に入ったの?

小林:大学に入学当時、大学入ったらこんなことしてみたいっていう夢がいくつもあったのね。海外に行きたい、とか。けど、体育会の部活に入ったからそっちのほうに時間や労力をたくさん割いて、当初思い描いていたことはなかなかできなかったんだよね。それで超域の話を聞いたときに、その「やりたかったこと」が全部できるプログラムだと感じた。「え、ブータンいけるの?」って。
そんで4回生になったときに、「超域ってめちゃめちゃ忙しいらしいぞ」っていうのを聞いて迷ったけれど、まあいっか、と。親も「行ってこい」って言ってくれて。

猪口:指導教員の反応はどうだった?

小林:先生には超域について言ってなくて、超域に出願する直前になって相談しに行ったんだけど、突然だったのもあってあんまりいい反応はされなかった。
でも先生は完全に否定するわけでもなくて、推薦書なども協力してくださって・・・今ではある程度理解を得られて、修論提出したときには、先生は「超域もあったのによくがんばりましたね」って言ってくださった。

■ 超域は百長百短、でもマイナスではなかった

猪口:すごく超域に期待してきたわけだけど、実際入ってみてどうだった?

小林:超域にいることについて、迷ったときもあったし、選択をミスったかなと思うこともあった。修士1年のときなんかは忙しくて、思ったように研究ができていなくて、超域に入っていない研究科の同期を見ていて、研究で後れをとったと感じてた。でも今年(修士2年)の夏ごろに振り返って考えたとき、超域に入って、学会に行けたりとか、研究におけるチャンスも手に入る環境だってことを考えると、マイナスでもないかなと思うようになってきた。またこれからいろいろ考えていくとは思うけど、修論も書き上げた今は、超域に入ったことの意味は大きかったなと思ってるよ。

猪口:うん、本当にお疲れさま。

小林:超域を通して得たものもあるし、失ったものもあるな。百長百短というか。胸をはって、「超域はいいです」って言えるかは分からないけど、やってよかったと思うことはたくさんある。

猪口:例えば何か印象に残ったことはある?

小林:単純に、海外のいろんなとこへ行けたのはよかった。昔から行きたかった海外欲を満たせた。それと、「研究室エクスプローラ」とか、他の研究領域に触れる機会がいろいろあって、その中で自分の研究が学問という大きな体系の中でどういった位置にあるのかを相対的・大局的な視点で見れたことがよかった。それは直接的に自分の研究に活きたわけじゃないんだけど、自分の研究を見直せたっていうのは大きいかなと思う。

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