インタビュアー:篠塚 友香子 二期生・人間科学研究科(文系)
取材日2014年1月
■インタビュイー紹介
丹羽 佑介: 一期生・情報科学研究科(理系)
金南 咲季: 二期生・人間科学研究科(文系)

3: 他分野の人と触れ合って気づけたこと

篠塚
金南さんと私はリーディングフォーラムでも同じチームとして教育格差について議論しました。この経験は、私にとってとても刺激的だったんだけど、金南さん、他に分野が異なる学生と触れあうことで何か考えたことはある?
金南
超域を通して、理系の研究とか視点に触れる中で魅力的に感じるのは、前向きで希望的というか、そういったベクトルに向かって進んでいる力みたいなものかな。もちろん、一般化できるわけでもどちらがより重要だという話ではないけど、文系の分野では、理系以上に社会とか人間のもっと複雑な問題に目を向けることが多いような気がする。
丹羽
そのような問題に対して、全員がフォーカスする必要はないけど、それぞれがそのような問題があるという事を認識しておく事は大事なことだと思う。そういう視点でいうと、同期の履修生と話をすることによって社会に対する問題意識は広がったし、また、二期生が入ることによってさらに広がったよ。
金南
文理の違いをいろんな場面で感じれるからすごく面白いし、理系の人の志向性とか感覚に触れることで、これからの社会にまた違った角度から夢を持てたり元気づけられる、みたいなこともありますね。
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4: 超域生同士の関係性について

篠塚
せっかく一期生と二期生が揃っているので、一期生と二期生の関係について聞いてみたいです!
丹羽
『一期生と二期生のカラーは全く違う!!』っていろいろな先生が言ってくれてるけど、これって最大のほめ言葉だと思う。もっと言えば、個人個人も全然違うはず。超域としては一つの集団ではあるけれど、その中で同質化してしまうと超域の意味がなくなってしまうと思う。だから一期生と二期生のカラーが違うって言われると、僕はすごく嬉しいな。
金南
私にとっては、超域一期生がいるっていうのはすごく大きいし、心強い。良い距離感で一期生が居てくれることで、超域だけじゃなくて、研究活動とかその他のアクティビティのことでも、身近なロールモデルとして学ぶことが多いし、二期生同士とは違った刺激をもらっています。
篠塚
超域って学生が共に作り上げていくプログラムでもあるから、私たち二期生のカリキュラムにはすでに一期生の声が反映されていたりすること実感することも多いです。実際、私はプログラムに入ったばかりの時、先生方に対する一期生の積極性にすごく驚いた(笑)
丹羽
そうだったんだ!でも、二期生は一期生に比べてしっかりしたアウトプットを出すことができていると思う。デザインシンキングの授業を通して作った作品で『Marketing Design賞』を受賞 ※1していたりするし。二期生の頑張りが、僕達一期生にもとても良い刺激になっているし、感心しているよ。
金南
一期生には、「人材育成力」の優れた人がたくさんいるよね。「超域コンパス」※2にもあるけど、相手の持つ力を引き出して、高めていく「人材育成力」ってすごく大事だなあって、特に超域に入ってからそう思うかも。そこが私の課題だとも思うし、三期生が入ってきたら、そういうところを私自身も試行錯誤しながら伸ばしていきたいなって思ってます。その点、丹羽さんはよく人を見ているなと思う。その人の良さを引き出すために、場面に応じて少し後ろに下がってみたり、必要な場面で手を貸したり、うまく駆け引きをしながら二期生をのせて成長をさせてるな〜って思います!」
篠塚
超域の一期生と二期生の関係って運動部の先輩後輩関係とか研究室の先輩後輩とかでもないんだよね。超域の先輩後輩関係って、少し不思議な感じだけど、とっても居心地が良い。
丹羽
二期生のみんなからも、僕が学ぶべきものがたくさんある。だからこそ一期生と二期生の関係はフェアに学び合える環境であるべきだと思うな。
篠塚
三期生が入って来るのが楽しみですね!
金南
そうそう!これから人数も増えてくるけど、それぞれが、それぞれの顔色を伺うんじゃなくて、お互いに認め合った上で、深い議論ができる、そんな環境を一緒に作っていきたいな。そして三期生が入ってくることで、今までの一期生・二期生の関係みたいに双方向での学びがどんどん広がっていけばいいなと思います。
(超域人vol.11 ~前編~)はこちら
===文中注釈===
※1:Marketing Design賞
2013年11月に開催されたThe 13th Design Engineering WorkshopのInnovative Design Contestにて、超域独自の授業「体験して学ぶデザインシンキング入門」での成果を発表。その結果Marketingの他、Concept、Engineeringの項目で高得点を獲得し、受賞した賞。
関連記事:授業レポート – 体験して学ぶデザインシンキング入門 –

※2:超域コンパス X-COMPASS
本プログラムでは、超域コンパス(X-COMPASS)が示す6つの力(Key Drivers)を基準として、選抜や修了までに実施されるPre-Qualifying Examination(Pre-QE)、Qualifying Examination(QE)などの評価を行うだけでなく、本プログラムに学ぶ人が、自身の成長を確認したり、資質やスキルを伸ばしたり、改善点を発見し、それに対する取り組みをデザインしたりする際の指標として、継続的に利用していきます。