TEXT BY ウルフ・ジャスティン
研究科:国際公共政策研究科
専攻:国際公共政策
専門分野:国際関係論、紛争解決、平和構築

アクティビティーを通しての目標

今回のアクティビティーにおいて、約2週間南部アフリカを4人(准教授と自分を除いて大学院生2名)で回り、現地の大学や組織を訪問し、そこで働く学者などとディスカッションを行うスケジュールだったが、そんな活動のなかでそれぞれのメンバーには異なる目標がありました。私の場合は、各国の文化、環境、人の行動や習慣などを観察し、出来るだけ多くのことを吸収することを目標としていました。まずアフリカといえば、かつて自分が学校で読んだ、その大陸で起きた数多くの紛争のエピソードしか思い出せなかったため、初めてアフリカに旅立つ私には、そこで何が自分を待っているのか、想像することができませんでした。私がアフリカ大陸の紛争を少しでも減らしたいと望んだとき、この状態ではとても十分な基礎知識が備わっているとは言えないでしょう。紛争に対する長期的な解決方法を考え出すには、少なくとも争っているもの同士の背景にある歴史、文化、事情などを理解する必要があります。また、紛争や平和構築を学び、研究する者として、書物や論文集からだけでなく、現地を訪ねて、様々なものを見たり経験したりすることを通して想像・発想にリアリティを与えることは非常に大事なことです。そのために私は、自身の研究分野に関わらず、行く先々で得られるもの全てを吸収しようと決意しました。
しかし、今回のアクティビティーは超域イノベーションプログラムの一環としての活動であるため、プログラムの活動に対しても何らかの効果が得られるように次のポイントを意識しながら行動しました。

「傾聴・情報リテラシー」「理解・処理・分析」、
そして「論理的思考」。>超域コンパス参照

新しい地域に入り、何人もの学者や専門家から情報を収集、それを的確に分析し、重要なポイントを読み解く能力は、絶えず変化している紛争の状況に対し、適切な政策を提案する上で欠かせない能力ですが、それだけに限らず、社会に潜む様々な問題に対する解決策を提言するものにとっても必要不可欠なアビリティだと考えられます。東日本大震災を経験した私たちは、リーダーにとってこの能力がどれほど重要であるかを身をもって理解しています。このようなスキルをこれから自分が発揮するリーダーシップに取り込みたいと考え、このアクティビティーを機会に少しでも成長すべく努力しました。

アクティビティーを通しての目標 活動の流れ 先入観を無くすこと 最後に…