◆開催2ヶ月前〜 戦略立案を実施

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今回の東京訪問時に行う超域スクールの企画立案の目的とゴールを明確にするため、 まず最初に複数回のディスカッションを実施することにした。
〜実際のディスカッション内容〜
「割と”いい議論をした”というところで終わってしまうことが多いよね」
「情報・知識不足が原因で具体的な課題解決に結びつかないことが多いかも。。」
「学生同士だと抽象的な議論になってしまいがち」
「テーマが広範すぎると議論が広がりすぎて収拾がつかないこともあるよね」
「せっかくの機会、具体的な課題を深く取り上げて解決策を!」

ディスカッションから導き出した、
当プロジェクトの目的とゴールは次のようにまとめられる。

■目的: 「広く産官学で活躍するリーダーとなるため、超域スクールを
     通じて具体的な社会課題解決を体験する」

■ミニマムゴール: 「超域スクール東京を成功に導く」

■ストレッチゴール: 「実際に課題に取り組んでいる方々との関係構築
           を通じ長期的な社会課題解決プロジェクトを
           立ち上げる」

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次に、各自情報収集と情報を持ち寄ってのディスカッションを行い、 目的達成のための戦略、開催テーマの選定と実施内容を固めた。

〜懸念された事項の一例〜
——開催テーマ。いかに抽象的・一般的・広範な内容にならず、 現実的かつ具体的なテーマ選定を行うか?地域が抱える課題がよいのでは?
——課題解決のために現状収拾可能なデータの量や質。 革新性と現実性のバランスをどうとるか?
——課題解決のための深いディスカッション実施のための必要時間と集客数、 そして集客層。拘束時間が長ければ長いほど集客にリスクが。。。

選定された開催テーマ:
東京湾含地区(品川区・港区)における「津波発生時の避難」を題材に、
既存情報の読み込みとフィールドワーク・ディスカッションを通じ、
1  現状の施策の評価
2  あるべき戦略と示すべき指針を協議
3  15分間のプレゼンにまとめる

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◆開催1ヶ月前〜 1ヶ月に渡って下準備と分析を実施

開催を1ヶ月後に控え、既存データ収集、分析と事前調査・聞き込みを実施する。
超域生が具体的なディスカッションをリードできるだけの
知識と仮説を持つ必要性があるためである。

【大量の情報を収拾、分析】
HPなどから公に配布されている資料を事前に収拾し、知識を深める。読み始めると奥が深く次々と新しい情報を探し求めるように。毎夜遅くまで分析を続ける。
【品川区主催津波サークショップに参加】
開催されることを知った津波ワークショプに参加。また事前に防災課の方々のアポイントも頂き、区の取り組みに関する意見交換の機会を得る。これは、学生の特権であろう。
【現場の事前視察】
集めた情報を調べることで、現場の状況を知りたいという欲求が生まれた。 事前に情報をたくさん読み込んでいたので現場での発見も大きかったのでは?真夏にたくさん歩いたので、ヘトヘトに。。。
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◆ついに「超域スクールオフサイトinTokyo」開催当日

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現場で最終確認です。
ついに始まりました!
まずはプロジェクト
の説明。
2つのグループに分かれて
ディスカッション、
参加者のバックグラウンドが
様々なので
新しい視点が新鮮。
30℃を超える
猛暑の中での
フィールドワーク。
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品川区防災課
佐藤計画係長を
お迎えし、プレゼンです。
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佐藤係長より
統括を頂きました。
感謝をお伝えするとともに
今後の進め方を確認。
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◆プロジェクトに参加した超域生の声

橋本奈央
橋本奈保
研究科:
国際公共政策研究科
専攻:
比較公共政策
専門分野:
多文化共生、自治体、市民社会、 地域における多様性と共生に関する公共政策

今回の超域スクールは社会的問題を実際に深く掘り下げ机上の議論にとどめるのではなく、フィールドワークなども織り交ぜてより現実的な解決方法を模索することが目的。 そのため、1日という時間制約の中で深いディスカッションをできるデーマに絞り具体的な目標を立ててプロジェクトを進めました。 毎日夜遅くまで議論し、真剣に取り組んだ分、東京滞在中の様々な発見に繋がりました。 そして何より、実際hands-onで問題を解決することを目指し、現場を歩いたり実際区役所の方々にお話を聞いたりしたことで、より問題の本質や現実に迫ることができたと思います。 準備段階で集めた資料を眺めていてもわからなかった問題が、防災に関する公共政策の最前線の声を直に聞くことで明らかになったりもしました。 今回の超域スクールを通じて、ビジネスのプロフェッショナルからのアドバイスを受けることができ、プロジェクトの進め方や、目的の設定の仕方、戦略の立案方法を学びました。 実際にいくつものプロジェクトを率いた経験のある方からのアドバイスを受けながら自分がプロジェクトをリードする経験は、最高の学びの場になったと感じています。 ビジネスで活用される戦略機構のプロセスを用い、現在の制作の評価から、提案まで、持てる資源の現実性を含めた現状の評価をpracticalに行うことが出来たことで、最終的に出てきた提案もより現実的なものになったのではないかと思います。 何より嬉しかったのは、品川区役所の防災課の方が超域スクールの発表を見に来てくださったことです。提案に対するフィードバックを頂けたことで、これからの課題とアプローチが明確になりました。 今回、最終的な成果物を具体的にイメージしながら、「超域生がホンキで社会的課題を解決する!」という意気込みで取り組んだことが今回の成功につながったと感じています。 今後は頂いたフィードバックと取り組みの中で明確になった課題をもとに次の目標を設定し、長期的なプロジェクトとして取り組んでいきたいと考えています。

ウルフ・ジャスティン ウルフ・ジャスティン
研究科:
国際公共政策研究科
専攻:国際公共政策専攻
専門分野:
国際関係論(安全保障政策、紛争防止、平和構築)

今回の「超域スクールオフサイトinTokyo」は、ディスカッションで終わってしまうことなく、日本社会が抱えている問題を取り上げ、具体的な対策を出したいという目標から始まった。 私たちが選んだ「直下型地震による津波に対する防災避難対策」は最近頻繁に取り上げられるテーマなので強いコミットメントを持って準備を進めなければ、価値のある成果は達成できないと予感していた。 2ヶ月に渡り、多くの資料に目を通し、知識度を深め、問題を明確にすることに勤めた。 情報を調べるにつれて知りたいことが増えたため、実際に課題に対処されている区役所の方とインタビューを行い、品川区民のための津波ワークショップに参加させて頂いた。 こういう形で、真摯にお聞きしたい旨をお伝えすると、快くアポを頂けるということが実感できたのは大きな収穫だった。 また東京の大学院生、社会人などが参加してくれ、深い議論を行う機会を持つことができたことも非常に有意義であった。 フィールドワークを加えることにより、現場を知ることの重要性を他の参加者と共有でき、ディスカッションだけで見えなかった問題を発見できた。 最終的に課題をいくつかの視点から明確に指摘でき、相応の成果を出すための下地を作れたように思う。 これ以後の活動や発表の場を頂くことを品川区の方に受け入れて頂けたことで、今回のプロジェクトの目標の達成ができたといえるかと思う。 今回のイベントを開催するにあたって、プロジェクトの進め方やまとめ方など、アドバイスを頂くことで直接に学んだことも大変多かった。